Assessing Context-Specific Peacebuilding Approaches in Contemporary Armed Conflicts: From High-Level Mediation to Middle-Out Linkage in Syria and from Adaptive Mediation to Nationally-Owned Peacebuilding in Mozambique
JICA緒方研究所について
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近年の武力紛争はますます複雑化しており、平和構築に携わる国際、地域、国、地方のさまざまなレベルのステークホルダーにとって、関連する危機を未然に防ぎ、効果的な対処をすることがより困難になっています。国連の「持続的な平和」アジェンダによりもたらされた政策動向を踏まえると、文脈に適応する平和構築アプローチの重要性を議論する意義が高まっていると言えます。本論文では、シリアとモザンビークの複雑な状況下における平和構築の取り組みについて検証しています。
JICA緒方貞子平和開発研究所の武藤亜子上席研究員とルイ・サライヴァ研究員は、「シリアの未来のための国民アジェンダ(National Agenda for the Future of Syria:NAFS)」に見られるアプローチと、モザンビークの新しい和平交渉プロセスの構造は、それぞれの紛争影響社会における自己組織化の能力を育む、状況に応じた、革新的かつ非直線的(non-linear)な平和構築モデルになりうる例を示していると主張しています。本論文では、紛争の影響を受けた複雑な状況下において、平和構築における実際性の重視や地域および国家レベルでのオーナーシップの尊重、調停プロセスの円滑化を通じて、平和構築支援の効果を高められる可能性があると締めくくられています。
本論文は、ソウル大学校のInstitute for Peace and Unification Studiesから発刊された「Asian Journal of Peacebuilding」に掲載されています。
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