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Resilience Against the Pandemic: The Impact of COVID-19 on Migration and Household Welfare in Tajikistan

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新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の大流行は、出稼ぎ労働者からの送金に依存している国に打撃をもたらしていると推測されています。しかし、家計への影響がどの程度あるのかはいまだに十分研究されていません。

本研究は、海外への出稼ぎ労働者(移民労働者)からの送金への依存度が高く、2019年には送金額が国内総生産(GDP)の28.2%も占めたタジキスタンを事例に考察しています。同国のように海外送金に依存する国がコロナ禍ではどのような影響を受けているのか、食料の確保や雇用などの家計への影響、そして移民と送金への影響についてタイムリーな研究成果を示し、政策提言を行っています。

コロナの発生前と発生後の月次家計パネルデータを用いて分析したところ、第一に、パンデミックによる負の影響は、発生直後の2020年の第二四半期に特に深刻だったものの、その後は徐々に緩和されていたことが分かりました。第二に、予想に反して、パンデミックによる出稼ぎ労働者の大幅な減少は見られませんでした。これは国境が封鎖されたことにより、渡航予定だった出稼ぎ労働者がタジキスタンに留まらなくてはならなかったのと同時に、出稼ぎ中の労働者が自国に戻れなくなり、渡航先に滞在し続けたことが要因と考えられます。第三に、出稼ぎ労働者のいる家庭は、いない家庭よりもコロナ禍ではよりレジリエント(強靭)であり、海外送金が保険として機能し、負の影響を軽減しているとしています。

本論文はPLOS ONEより出版され、以下のリンクから閲覧できます。

著者
清水谷 諭、 山田 英嗣
発行年月
2021年9月
言語
英語
ページ
20ページ
関連地域
  • #アジア
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト