The COVID 19 Pandemic, Daily Mobility, and Household Welfare: Evidence From Tajikistan

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新型コロナウイルス感染症の大流行により、世界中の人々が日常の移動を大幅に制限されています。本論文では、パンデミック発生前後の期間を含む月ごとの世帯パネルデータセットを使用して、タジキスタンにおける日常の移動と家庭の福祉に対する新型コロナウイルス感染症の影響を調査しました。このデータの特徴は、車両で移動する人の日常の移動に関する情報に加えて、その移動の目的が含まれていることです。

調査の結果、新しい発見がありました。第一に、他の国々で得られたエビデンスとは対照的に、タジキスタンではパンデミックによる日常の移動への影響は限定的でした。パンデミック後、家族に関する用事を目的とした車両での移動は全ての収入グループで避けられていましたが、国による厳しい移動制限がない状況下では、仕事や買い物などを目的とした車両での移動には影響が見られませんでした。第二に、パンデミックに関する懸念が車両での移動に及ぼす影響は、目的別に見た場合、それぞれ異なっていました。パンデミックへの懸念が強い人は、家族に関する用事のために車両で移動することを控える傾向にありました。第三に、家族に関する目的での移動が減少することで、食料不安が悪化しました。これは、パンデミックによって移動が制限されたことで、家族や親戚が提供するセーフティネットが妨げられたことを示唆しています。

著者
山田 英嗣、 清水谷 諭
発行年月
2022年9月
掲載誌
Transportation Research Interdisciplinary Perspectives
言語
英語
ページ
9ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #運輸交通
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト