気候変動がアジア大都市に与える影響の研究(マニラ首都圏の事例)
JICA緒方研究所について
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JICA研究所の武藤めぐみ研究員は、世界銀行およびアジア開発銀行とともに気候変動がアジア沿岸部の大都市に与える影響に関する研究を進めてきました。本稿は、同研究員が、マニラ首都圏のケースについて研究成果をまとめたものです。3機関の研究成果(マニラ首都圏、バンコク、ホーチミンシティ他)を統合した報告書は、世界銀行から出版予定です。
本研究では、IPCCで用いられた気候モデルを基に、2050年時点で予想される気温及び雨量の変化を局地化し、上流の雨に起因する洪水に加え海面上昇、台風の強大化も組み合わせて洪水マップを作成しました。更には建物への被害のみならず渋滞のコスト等も加味した洪水被害額を導出し、気候変動への適応として必要となる投資について提言を行っています。洪水制御インフラの整備を現時点の水準で停止した場合、100年に1回規模の洪水によるマニラ首都圏の被害額は、地域内総生産の24パーセントに上る可能性があることが指摘されています。
本研究は、マニラ首都圏の気候変動適応策策定に資するのみならず、他の国の沿岸大都市の都市計画担当部局が適応策を検討する際の手法面での指針ともなるものです。更には、ASEAN+3による気候変動の財政・金融へのインパクトに関する共同研究などにも活用される予定です。
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