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No.14 Lagging Agricultural Development in Africa and the Way Forward: Progress and Challenges for the Comprehensive Africa Agriculture Development Programme (CAADP)

  • #ポリシー・ノート
  • アフリカ農業開発は遅々とした進展にとどまっている。アフリカ連合(African Union: AU)はこれまで農業セクター成長率年6%達成を目標に掲げてきたものの、一貫して年平均2~3%台に低迷してきた。また、アフリカでは栄養不良人口が2014年を境に増加している。本ポリシーノートでは、 AUが推進する旗艦プログラム「包括的アフリカ農業開発プログラム(Comprehensive Africa Agriculture Development Programme: CAADP)」のこれまでの取り組みと課題を大陸レベル、地域レベル、各国レベルで分析した。
  • その結果、CAADPの推進に必要となる文書や枠組みは整いつつあるものの、農業セクターの各開発課題に対して有効な方策が取られていないことが明らかとなった。すなわち、実施段階の取り組みに十分な優先度が置かれていないが故に農業開発が停滞しているのである。
  • アフリカ農業開発を軌道に乗せるためには、(a)成果を追求し実施段階の必要な取り組みを促すための政治的リーダーシップの強化、(b)達成すべきターゲットの明確化、(c)成果の確実な達成に向けた実施能力の強化、が必要である。
  • 近年、アフリカ農業セクターでは、気候変動の深刻化や紛争・地域情勢への脆弱性をはじめ、さまざまなリスクが顕在化している。2025年に開催される第9回アフリカ開発会議(Tokyo International Conference on African Development: TICAD9)では、農業開発を喫緊の課題として取り上げることが求められる。AU、アフリカ各国政府、開発援助機関は、将来のアフリカ農業開発、食料安全保障に向けて最も高い優先度を置いて取り組んでいくべきである。
著者
天目石 慎二郎
発行年月
2025年1月
ページ
11ページ
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
研究領域
開発協力戦略