No.137 Overview of Policy Actions and Observational Data for PM2.5 and O3 in Japan: A Study of Urban Air Quality Improvement in Asia

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本論文では、最近のPM2.5およびO3(光化学オキシダント)に関する日本の状況について論じている。第1章では環境品質基準(EQS)の創設とその観測局を含む日本のPM2.5政策措置の状況を紹介し、さらに、2010年から2013年にかけて得られたモニタリングデータとEQSの超過状況について論じている。ここでは、全国平均の観測データにおいて、硫酸塩とEC/OCはPM2.5の卓越した成分であることが示され、ほぼ同等の影響を与えていることが判明している。第2章ではO3(Ox)およびその前駆物質であるNO2およびNMHC/VOC(非メタン炭化水素/揮発性有機化合物)の長期変動を示した。観測上ではNO2とVOCの濃度が低下しているにもかかわらずO3の平均濃度が増加しているパラドックスについて論じている。この現象は、(1)NO滴定効果の減少、(2)越境輸送の増加 および(3)その場での光化学的生成の減少の3つの要因が見出された。 最後に、PM2.5 およびO3汚染の緩和措置を統合したアプローチは、SLCPs (short-lived climate pollutants)協調政策の枠組みの中で考慮すべきであると提案している。

著者
秋元 肇
発行年月
2017年1月
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #環境管理
研究領域
地球環境
研究プロジェクト