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アフリカにおける参加型灌漑管理組織と農村社会(アフリカにおける灌漑開発と農民組織化に関する社会学的分析)

本研究では、アフリカにおける潅漑開発の規模に応じた水管理・運営組織のあり方を、既存の潅漑開発事業(主に日本の支援により整備されたもの)の評価を通じて検討することを目的としました。具体的には、対象社会における基礎的食糧生産システム、社会関係資本を含む諸「資本」の賦存状況、伝統的水利・労働慣行、アクター間権力関係、行政組織能力等の観点から、水管理・運営組織の機能状況(水利費徴収、水管理、施設維持管理、紛争解決など)を検証し、事業規模、社会制度、行政能力に見合った水管理・運営組織のあり方を提示します。さらに水管理・運営組織を通じた行政、地域住民間の協働が、当該地域社会における一般的互恵関係や地方行政(国家)との共益関係を含む協調的地域社会形成(公共領域形成)につながる可能性についても考察しました。焦点はマラウイなどアフリカ諸国であるが、研究蓄積のある日本やアジア諸国の経験との比較も行いました。