【課題別研修】アジア地域市場志向型農業振興 — 農業とジェンダー講義に参加しました!

2022年9月1日

ジェンダー主流化と女性のエンパワーメントを農業変革の適用枠組みを明らかに!

イコールパートナーシップの構成要因について説明をしています。

ジェンダー主流化はSDGsの達成に極めて重要です。

研修参加者全員での集合写真

こんにちは、大学院生インターンのLeeです。

本年8月22日(月)から9月9日(金)にかけて、JICAの課題別研修「アジア地域市場志向型農業振興」がオンラインにて実施されています。5ヵ国総勢19名の行政官研修員が参加し、JICA北海道(帯広)とつないで研修を行うものです。今回は、私Leeもその研修の一部に参加してきました!

「アジア地域市場志向型農業振興」は、JICAが開発した小規模農家支援のアプローチ、SHEP (Smallholder Horticulture Empowerment & Promotionの略)であり、『市場意識の変革』と『開発途上国の小規模農家の所得向上』することを目的にした課題別研修です。

今回は、3週間の研修コースのうちの1コマ「農業とジェンダー」という講義に参加させていただきました。内容についてご紹介したいと思います。

当日は、元JICA国際協力専門員で、ジェンダー主流化(社会的性差解消に向けた対応)に取り込むシニアコンサルタントの山口綾さんから、SHEPアプローチにおけるジェンダー主流化と、ジェンダーの視点からの農業変革についてのお話がありました。山口さんは、様々なデータを用いながら農業分野における男女格差の実態について、収入や、与えられる研修機会の差などを例に説明しました。加えて、その格差による課題の解消と農業経営における対等な夫婦関係の実践によって得られるメリットとして、GDPと作物生産の向上を例に挙げました。また、ケニアとエジプトにおけるSHEPアプローチの比較を通じて、「ジェンダー戦略は国によって異なる」と指摘しました。さらに、ジェンダー分析、SHEPアプローチやPDCA(Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善))サイクルなどの方法論の紹介を行いました。最後に、山口さんはジェンダー平等及び女性のエンパワーメントは、 持続可能な開発目標(SDGs)のすべてのゴールの実現にとって重要と位置づけられていますと述べました。

Q&Aセッションにて、「女性のエンパワーメント(権限付与、能力開花)の実践にとって極めて重要な要因はなんだろうか」などたくさんの質問で盛り上がりました。山口さんは自分が経験されてきた案件と心構えを語って回答していただきました。参加した研修員からは、「ジェンダー分析と調査の仕組みがとても役に立つと思います」、「ジェンダーに対するマインドセットを変えるのは難しいが、これから積極的に取り込もうと思います」等のコメントをいただきました。

今回研修に参加した行政官が日本の農業から学んだ知識を基に、「市場を知り、農業で稼ぐ」、「農業における男女共同参画」という意識が浸透し活かされることを期待しています。
(作成:大学院生インターン Lee)