先生教えて!「JICA東京のオシポイントは!?」

教員生活10年目を迎えるお二人の先生がJICA東京に1日研修にお越しくださいました。研修課題は「JICAを知り、教員目線でJICAのオシが何かを考える」さて、お二人が見つけた答えとは、いったい何だったのでしょう?

2021年8月17日

今日のことは、学校の皆に伝えます!~先生がJICA東京で知ったことって?~

東京都は、公立学校中堅教諭等資質向上研修として、教員10年目になる先生方に、学校外の機関・企業・団体等での半日から1日の体験を課しています。その研修先としてJICA東京を選ばれた、片山由圭先生(西原小学校)、佐藤恵先生(広尾中学校)。研修最後の時間に、先生達が考えた「JICAのオシ」を発表いただきました。
先生方の答えは・・・

1.人と人をつなぐ国際協力
 国際協力をしたいと思っても、実際には個人で行うことは難しいと思います。JICAが行っている「海外協力隊」は、協力をしたいと思っている人に一歩踏み出す機会が与えられます。さらに経験を積み、技術・能力・知識を身に着けると、専門家やコンサルタント等、いろいろなやり方・あり方で、それぞれの特技を生かして、その国が抱える問題に取り組むことができます。このように、JICAの国際協力は、日本の人と途上国の人がつながる協力だな、と思いました。
 また、国際協力出前講座をとおして、実際にJICA海外協力隊の経験者から、開発途上国の実情や国際協力について話を聞けますし、教師海外研修では、教員が実際に開発途上国を訪問する機会が与えられ途上国が置かれている状況を肌で感じることができます。その体験は、その時のみの感動で終わるのではなく、授業を通して直接生徒に伝えていくことができます。途上国の人々との時間を、日本でつなげることができる、と思いました。

【画像】2.よりよい支援のために、マルチアクターと連携!
 途上国の課題解決のために、JICAだけで動くのではなく、NGOや自治体、大学、企業等、様々な知見を有する団体・機関と協業していく ということを今回初めて知りました。他者との連携することで、解決手段の幅が広がったり、国際協力に関わる人々が増える、地域に根付く、などさまざまなメリットがあると思います。

3.実はJICAって身近!
 教員向け研修や学校での出前講座といったプログラムや、途上国のことや国際協力を伝えるのにさまざまな教材(漫画や動画まで!)があることを知りました。また今回施設訪問をしてみて、施設内にも様々な展示があったり、途上国からの研修員の方を見かけたり、コロナが落ち着いたら児童・生徒と訪問したい、とも思いました。今回来て、見て、聞いて、JICAを身近に感じ、学校現場でもJICAの協力を得られることを知れたのは、大きな収穫です。子供たちが国際理解を深める手立ての一つとして活用していきたいです。

お2人目を輝かせて発表くださいました。
「このことは学校内で伝えますし、伝えた教員たちにさらにそれを広げていってほしいと思います。JICA東京で受けいれていただけて、本当に良かったです」
とのお言葉も頂け、ううう、研修受け入れ冥利に尽きます。

元教員目線、保護者目線で語られた「教育分野の国際協力」

【画像】今回の1日研修の中でも、お二人の先生方が特に印象深かった、というのが、人間開発・計画調整課・徳田由美課長からの講義。JICAで長らく教育分野の協力に関わり、エチオピア・ケニアでの業務経験がある徳田課長は、二児の保護者であり、実は元小学校の先生でもあります。
自身が教師をしていた時には「当たり前」と思っていた日本の教育の在り方が、様々な途上国での経験を通じ「職位・経験にあわせた教員研修も、カリキュラムも、教育手法も、本当に素晴らしいものだった」と語られました。そして、ミャンマーでの教科書開発、アフリカでの住民参加型学校運営(みんなの学校)、エジプトでの日本式教育という三つの事例を出して、日本だからできる、日本の強みを生かした教育協力を、決して押しつけではなく、相手のオーナーシップを重んじ、相手に適したやり方を共に熟考と試行を重ねながら着手していった取り組みが紹介されました。

【画像】お二人の先生からは
「地域住民が学校にかかわるからこそ、学校に関心を持ち、それをよくするために教員と協働するということ、なるほどと思いました。」
「持続可能な視点で見ると、課題解決とは日本人だけが進めるのではなく進めるのではなく、共にどうすればできるか考え、共に進めていくことが大事なんですね!」
「このお話、私たち二人だけで聞くのはもったいないです!周りの先生達にも伝えたい!」
等の声がきこえてきました。

今回のような中堅教諭の方々の受け入れは、ここ最近行ったことがない体験でしたが、私たちの方こそが学ばせていただく研修となりました。

片山先生、佐藤先生、JICA東京をお選びくださりありがとうございました。学校内外で、ぜひJICAで得たアレコレをお伝え回ってくださいね!

市民参加協力第一課・八星 真里子