JICA留学生 満開の桜とともに卒業しました!(東京大学大学院6名)

東京で桜が満開になった2023年3月23日、6名のJICA留学生が東京大学大学院でそれぞれの課程を修了、学位を取得し、卒業しました。留学後は、日本での研究・学び・経験を母国に持ち帰り所属先の業務に寄与する留学生、引き続き日本で研究を発展させる留学生等その進路は様々です。いずれも母国のため、そして母国と日本をつなぐ架け橋として新たな一歩を踏み始めます!

2023年3月31日

農学生命科学研究科 農学修士号(3名)

中央:東京センター和田次長、右:ブルキナファソのダ・ナンさん

ブルキナファソのダ・ナンさん(SDGsグローバルリーダー・コース)は、農業・資源経済学専攻修士課程で母国の小規模農家の生活向上に繋がる研究に取り組みました。帰国後は所属先の農業省で農家に対する研修を行うにあたり、日本での学びを取り入れる予定です。

南アフリカのモーゼスさん(中央)は約2週間のインターンシップ後、長期研修を修了します

南アフリカのモーゼスさん(ABEイニシアティブ:アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ)は、同じ農学国際専攻修士課程の国際動物資源科学研究室でイネ種子貯蔵タンパク質遺伝子についての研究を行いました。イネ種子のタンパク質は非常に安定しているため、長期のコールドチェーン保存が不要でワクチン開発への適用にも大きな可能性を秘めているからです。4月初旬まで谷貝鐵工所(千葉県白井市)にて約2週間のインターンシップにも参加しています。将来、日本での研究内容を活かせる製薬会社の仕事に就くことに期待を寄せています。

農学生命科学研究科 獣医学博士号(1名)

左から、中南米部の吉丸職員、アルゼンチンのマーティンさん

アルゼンチンのラ・プラタ国立大学獣医学部のマーティンさん(SDGsグローバルリーダー・コース、旧:中南米・カリブ次世代知日派リーダー育成プログラム)は、獣医衛生学研究室で4年間、馬の疝痛(腹痛を伴う病気の総称)のメカニズムの解明と治療のための研究を行い、獣医学博士号を取得しました。最年長学生となった2022年度は、マーティンさんが研究室のリーダーを務めました。室全体の取り纏め、後輩に対する指導やアドバイスの経験は母国で学生に教える立場にあるマーティンさんにとって大きな学びと収穫になりました。

工学系研究科 工学博士号(2名)

左から、インドのアイシュワリャさんとバルガヴィさん

インド工科大学ハイデラバード校(IIT-H)の修士課程卒業後に来日した「日印産学研究ネットワーク構築支援FRIENDSHIP プロジェクト」の2名が、工学博士号を取得しました。
アイシュワリャさんは都市工学専攻で、生活排水中の有機微量汚染物質の検出に関する研究を行いました。一旦帰国後、5月には再来日し、国立環境研究所(茨城県つくば市)にて研究助手として採用される予定です。
バルガヴィさんは社会基盤学専攻で低品位材料を鉄道盛土に利用するための効果的な方法についての研究を行いました。4月からは早稲田大学にて研究助手として採用される予定ですが、就職直前まで、研究室の後輩学生たちに対する実験設備の使い方や研究の進め方等についての指導に励んでいます。

   
長期研修課 安藤 洋子