田中理事長がUNHCRのグテーレス国連難民高等弁務官と会談

2013年12月5日

田中明彦JICA理事長は12月3日、JICA本部(東京都千代田区)で、国連難民高等弁務官(United Nations High Commissioner for Refugees: UNHCR)のアントニオ・グテーレス氏と会談しました。

会談後、握手を交わすグテーレス高等弁務官(左)と田中理事長

冒頭、グテーレス高等弁務官は、JICAとのこれまでの連携を高く評価、「特に現場レベルでの連携はそれぞれの地域社会にとって有用であるだけでなく、難民問題の恒久的な解決につながるものとして極めて重要である」と強調しました。また、紛争地域におけるJICAの役割は重要であるとし、今後の共同事業の可能性について高い関心を示しました。

田中理事長は、11月に、JICA、EU、UNHCRとで共催した防災の主流化に関する公開セミナ—をはじめ、UNHCRのこれまでの協力に感謝の意を述べ、引き続きUNHCRとの連携を進めていきたいと述べました。

グテーレス高等弁務官は、昨今注目が集まるマリの情勢に触れながら、「シリアやアフガニスタン情勢に国際的な関心が注がれがちな中、アフリカ支援は引き続き重要課題として位置づけられる必要があり、その意味で『第5回アフリカ開発会議(TICAD V)』が果たした役割を高く評価している」と述べました。

会談では、アフガニスタン情勢についても話し合われ、田中理事長は、「来年4月に予定されている大統領選挙の行方に注目していく」と述べました。グテーレス高等弁務官も、UNHCRとしても選挙プロセスが国民に認められる正当性を備えたものとなるかが鍵になると考えると応じました。

最後にグテーレス高等弁務官は、「中東地域が混迷の度合いを増す中で、日本には調整役としてより積極的な役割を担ってくれることを期待している」と日本への期待を述べ、会談を締めくくりました。