田中理事長がヨルダンのアブドッラー国王と会談

2014年11月25日

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アブドッラー国王(右)と田中理事長

田中明彦JICA理事長は、11月18日、来日中のヨルダンのアブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王と都内で会談しました。

ヨルダン人口の1割以上に当たる60万人以上のシリア難民を受け入れている同国に対して、JICAは、ヨルダン政府とホストコミュニティー(注1)の負担を軽減するため、今年3月、財政強化型開発政策借款(DPL)(注2)の供与を行うこととしたほか、北部地域の上水道分野への無償資金協力、医療・教育機材の供与や青年海外協力隊員の派遣など包括的な支援を行っています。

冒頭、アブドッラー国王が長年にわたるJICAの数々の協力に対して謝辞を述べると、田中理事長は7月にヨルダンを訪問したことに触れ、ヨルダンは中東地域の安定にとって重要であると述べました。

アブドッラー国王が、中東和平にとって「平和と繁栄の回廊構想」(注3)は大変重要であると語ると、田中理事長は、今月、同構想に基づいて支援を実施している、パレスチナの農産加工団地(JAIP)(注4)を訪問したことに触れ、JAIP初の工場が操業開始間近であると報告しました。

また、アブドッラー国王は、日本がシリア難民受け入れ負担軽減のために実施したDPLに対して謝辞を述べ、継続的な支援への期待を語りました。これを受けて田中理事長は、ヨルダン、ひいては中東安定のため、日本政府と相談しながらJICAとしては最大限の協力を行っていくと応じました。

(注1)難民を受け入れている地域。
(注2)世界銀行との協調融資で120億円を供与した。
(注3)2006年7月、中東を訪問した小泉純一郎首相(当時)が提案した日本の中東和平のプロセス。
(注4)「平和と繁栄の回廊構想」を具現化する取り組みの一つで、ヨルダン川西岸地区のジェリコ市郊外に日本の支援で整備された農産加工団地。