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2025年度・JICA関西教師海外研修 ペルー研修現地レポート 【前編】

JICA関西は、関西2府4県の教職員を対象に、「教師海外研修」を実施しています。教師海外研修は、教職員の方々が実際に開発途上国を訪問し、国際協力の現場や開発途上国の現状・課題、日本との関係について理解を深め、その成果を、学校現場での授業等を通じて次代を担う児童・生徒の教育に役立ててもらうことを目的としています。研修は1年間かけて実施され、海外研修を中心に、日本国内で実施する事前研修・事後研修、そして海外研修経験に基づき帰国後に参加者の所属校で行われる授業実践で構成されます。
 2025年度は、2023年度・2024年度に引き続き、南米・ペルー共和国を研修国として実施しました。12名の先生方が2025年8月に参加した海外研修の様子を現地レポートとして3回(前編・中編・後編)に分けてお届けします。(中編は こちら ・後編は こちら
下記の4コマレポートと併せてどうぞご覧ください!

2025年8月 9日(土)関西国際空港出発、
2025年8月10日(日)リマ市内ホテル(ペルー)到着

関西国際空港からペルーに向けて出発しました。ロサンゼルス経由で長時間のフライトでしたが、初めて訪れる国での新しい発見や出会いが、私たちの視野を広げ、今後の教育活動に必ず活かされると思うと、研修への期待で胸が膨みました。
 到着して空港を出ると、日本とは季節が逆の現地は、想像していたほど寒くなく、非常に涼しくて過ごしやすい気候でした。ホテルまでの道中はレンガ造りの家が建ち並び、街並みに目を奪われながら、ペルーに来たことを実感しました。
 ホテルにチェックインした後、近くのスーパーを訪れました。店内には、たくさんのフルーツや野菜などが並んでおり、その大きさと種類の多さに驚きました。じゃがいもは3,000種類以上あると聞き、現地の食文化の豊かさを感じました。
 夜は買ってきたフルーツを切り分けて参加者みんなで試食会、日本では食べられないフルーツを味わいました。初めて口にする珍しい果物ばかりで、そのおいしさに感動しました。参加者一同、賑やかに親交を深め、明日からのプログラムが一層楽しみになりました。
(天理市立山の辺小学校 大﨑 遼平 先生)

スーパーに並ぶ色とりどりのフルーツ

切り分けて試食しました

2025年8月11日(月)JICAペルー事務所・ペルー日系人協会(APJ)・日本人ペル-移住史料館“平岡千代照”訪問

現地到着後、活動1日目です。乾季のひんやりとした風とペルーの海岸地域特有の曇天の中、バスに乗車。道路にはたくさんの車、歩道にはスーツ姿の人が行き交い、到着した日曜とは全く違う首都リマのオフィス街を眺めながらJICAペルー事務所へ向かいました。
通りに面した大きなビルの中にあるJICAペルー事務所で、細川所長よりペルーでの研修に対しての期待をお話しいただきました。ペルーの人からは、私たちが日本代表として見られるということで背筋が伸びる思いでした。
その後、バスに乗りペルー日系人協会(APJ)へ移動しました。壁と鉄格子に囲まれた大きな敷地に病院やホール、柔道場、会議室等様々な施設が入った協会を見て、ペルーにおける日系人がどれだけの地域への影響力を持っているのかを実感しました。
会議室に入り、研修プログラムスタートです。教育省の方からペルーの教育概要について説明をしていただいたり、協会の活動紹介をしていただいたりしました。
何より印象的だったのは、日本人ペルー移住史料館“平岡千代照”の訪問です。1899年の最初の集団移住から戦後に至るまで、日本からペルーへの移住について知ることのできる資料館で、当時の方の思いや苦悩を知ることのできる展示がたくさんありました。ぜひこの移住に関する歴史は皆さんにも知ってほしいと思います。

夕方からは、APJ関係者や、日系の教育に携わる方々が集まり、レセプションが開かれました。たくさんの人たちの歓迎を受け、ペルーの伝統や文化をたくさん教えていただきました。
一生懸命伝えて下さった皆様に、本当に感謝です。
(神戸市立灘さくら支援学校 宮上 和志 先生)

移住史料館にて

歓迎レセプション

2025年8月12日(火)日系人学校ラ・ビクトリア校、日本・ペルー地震防災センター(CISMID)訪問

午前にペルーの日系人学校ラ・ビクトリア校を訪問しました。日本の価値観と文化を守り、推進することを目的として1948年に建てられた学校で、「尊敬」「責任」「連帯」「根気」を軸に学校教育が行われています。ペルーの伝統的なダンスや日本でも馴染みのある「ビリーブ」を日本語で歌って歓迎してくださいました。併設幼稚園の3歳児~中学5年生(日本では高校2年生)の全校児童・生徒で迎えてくださり、みなさんの熱い思いに感動したとともに、ここでの経験を日本にしっかりと伝えなければならないなと改めて感じました。この学校は日系人が約40%、約60%は日系人ではない地域の子どもたちです。児童・生徒の保護者達は、日本の価値観を学んで欲しいという思いで通わせており、日系人学校を卒業した子どもたちは、社会に出た際に高い評価を受けているそうです。
午後は、日本・ペルー地震防災センター(CISMID)を訪問しました。ペルーは日本と同じ地震大国であり、頻繁に地震が起きています。ペルーには建築基準が満たされていない建物がたくさん立ち並んでおり、大地震が起こった際に大きな被害が出ると予想されています。CISMIDはそのような危険建築の改善や国民の防災能力の向上に取り組んでいます。また、日本の大学との共同研究により、建物にセンサーを取り付けて地震の被害状況を迅速に把握するシステムの開発が進められています。このシステムが実用化されれば、リアルタイムで被害状況を把握することで逃げ遅れによる被害者の減少につなげることができるそうです。地震は避けることができないので、一刻も早くこのシステムが導入され、被害が最小限に抑えられることを願います。
(高島市立青柳小学校 田中 真琴 先生)

ラ・ビクトリア校での歓迎

CISMIDにて説明を受けている様子

中編 に続きます)