【研修コース】北部ナミビア小規模農家生計向上プロジェクト
2024.11.14
2024.11.14
アフリカ大陸の南部にあるナミビアでは、北部と中南部を隔てるレッドラインと呼ばれる柵があります。この柵は、家畜の病気の予防・管理を目的として家畜・野生動物の移動を制限するために設けられたものですが、中南部で飼育された牛肉の品質保証としての意味もあり、中南部の牛肉は輸出も盛んです。一方、北部は口蹄疫という病気の国際的なステータスが中南部と異なっているため牛肉の輸出が制限されており、また資産である牛は頭数が多いほど良いというのが農家の伝統的な価値観であるため、牛を売るという考えが普及しておらず、今まで牛を一回も売ったことないという農家もいます。病気や干ばつの影響により家畜が死んでしまうこともありますが、飼育にもコストはかかり、生計としても損失です。そこで、牛を売るという選択肢を普及させることで、北部の小規模農家の生計向上を図るプロジェクトがナミビアで行われています。
(プロジェクト情報はこちらをご参照ください。)
本年10月、同プロジェクトに従事するナミビア政府の技官や普及員など10名が来日し、十勝で約3週間にわたり、営農改善及び市場調査の方法等を学びました。研修期間中は、農家と市場間で生じる情報の非対称性について市場調査等を通じてどのように改善するのか、心理学に基づいてどのように農家のモチベーションを上げていくのかなどを学び、畜産農家、農協(JA)、普及センターへ視察を行いました。研修の最後には帰国後の具体的な活動計画を発表しました。
閉講式
農場視察
また、本研修に合わせて、ルスウェニョ駐日ナミビア大使がJICA北海道センター(帯広)に来館され、研修員を激励頂きました。
ルスウェニョ大使からは、「研修成果を個人のものとはせずに同僚らと共有の上、ナミビアの社会・経済発展のため、イノベーティブなマインドをもって有効に活用してほしい」、「プロジェクトはナミビアの北部地域を対象としたものだが、研修成果はナミビア全国へ広げてほしい」等のメッセージが、研修員に伝えられました。
研修員からも「自身のマインドをまず変え、さらに地域農民の方々のマインドも変えて課題に取り組みたい」等の意見が挙げられました。
駐日ナミビア大使との集合写真
大使と研修員の意見交換
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