【終了】開発援助を通じた長期化難民危機への支援:北部ウガンダにおける取組みとその国際的意義 「人道と開発をつなぐ~アフリカにおける新しい難民支援のかたち~」 出版記念シンポジウム

掲載日:2023.02.24

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セミナー概要

JICA緒方貞子平和開発研究所では、これまで行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析してまとめた書籍「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第32弾として、『人道と開発をつなぐ~アフリカにおける新しい難民支援のかたち~』を刊行しました。

紛争や政情不安、暴力的過激主義の影響により昨日までの人生を奪われ、慣れ親しんだ故郷からの移動を余儀なくされる人々がいます。彼らの中には、一時的な避難にとどまらず、生きていくために見知らぬ土地で新たな暮らしを始めざるを得ない人々もいます。近年、アフガニスタンやウクライナ関連のニュースなどで日本でも耳にすることが増えている、いわゆる「難民」と呼ばれる人々のことです。

JICAでは、難民支援は、緊急事態への対処等、主に国際機関やNGOなどの人道支援機関の役割であり、JICAが貢献できる範囲は限られていると長年考えられてきました。その一方で、紛争の長期化に伴って難民危機も長期化しており、これによりこれまでの人道 支援だけでは対処できない新たな問題が発生しています。

本書では、南スーダンなどの近隣国から多くの難民を受け入れているウガンダでの日本政府およびJICAによる協力の軌跡をまとめるだけではなく、アフリカにおける長期化する難民危機の存在 、そして日本が実際に行っている長期化する難民危機への支援活動の一端を伝えています。加えて、日本の長期化する難民危機への支援に対する取り組みにおいては、「人間の安全保障」という考え方が大きく影響していることも強く訴えています。

2013年12月、混乱の南スーダンから隣国ウガンダに緊急避難したJICA南スーダン事務所長と所員達が「元同胞」の窮状に接し、彼らを救うべく 始めた北部ウガンダにおける長期化する難民危機への支援。その後の難民・移民問題の国際化を受けて本格化したJICAによる難民支援の軌跡を記録した書籍の出版を機に、本年12月にスイスのジュネーブで開催される第二回グローバル難民フォーラムにむけて、世界中で長期化する難民問題に対する国際支援はいかにあるべきか、グローバル難民フォーラムの共同議長国となった日本からどのようなメッセージを発信できるかを考えます。

開発援助機関であるJICAが、アフリカ最大の難民受け入れ国であるウガンダで難民支援を実施するに至る経緯とその後の展開について、元JICA南スーダン事務所長である著者、当時JICAに出向していたUNHCR職員、長年JICAのウガンダ北部支援に関わってきたJICA国際協力専門員が当時の状況を振り返ると共に 、アフリカ、中東、アジア諸国で多数の難民支援を指揮してきた現UNHCR駐日事務所代表、ウガンダ北部で難民向け職業訓練支援を行うNPO法人テラ・ルネッサンス職員の声を交えて、人道と開発の垣根を超えた難民問題に対する国際支援のあり方について議論します。

プログラム

■開会挨拶
牧野 耕司 JICA緒方貞子平和開発研究所 副所長

■講演「JICAによるアフリカの長期化難民危機への支援の経験と人間の安全保障」
花谷 厚 JICA緒方貞子平和開発研究所 主任研究員 プロジェクト・ヒストリー著者

■UNHCR上席ドナー関係調整官 帯刀 豊氏からのメッセージ

■パネルディスカッション「長期化する難民危機に対して日本のできること」
モデレーター:
室谷 龍太郎 JICAガバナンス・平和構築部 平和構築室長

パネリスト:
小向 絵理 JICA国際協力専門員
伊藤 礼樹 UNHCR駐日代表
鈴鹿 達二郎 認定NPO法人テラ・ルネッサンス アフリカ事業マネージャー
花谷 厚 JICA緒方貞子平和開発研究所 主任研究員

■質疑応答

問い合わせ

JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:久保)
メール:ditas-rsunit@jica.go.jp

申し込み方法

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