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ポスト2015時代の援助の在り方とは:ドイツ開発研究所の公開セミナーに参加

2014.09.18

9月1日から 3日、ドイツ・ボンにて、ドイツ開発研究所(DIE)による公開セミナーが開催され、法政大学下村恭民名誉教授が講演を行うとともに、JICA研究所北野尚宏副所長がパネルディスカッションに参加しました。

DIEは、今年創立50周年を迎える国際開発研究のシンクタンクです。DIEはドイツ国際協力公社(GIZ)と新興国の研究者、政府機関職員を対象とした研究プログラム「Managing Global Governance(MGG) 」を毎年実施しており、今回の公開セミナーはこのプログラムの一環として開催されました。セミナーは「援助を越えて— 開発協力のありかたを考える(”Beyond Aid” and the future of development cooperation )」と題し、貧困削減を目的とした先進国から発展途上国への資源分配を主とする伝統的な援助モデルでは解決できない課題、すなわち気候変動や格差、安全保障の問題なども視野に入れた今後の開発協力のあり方について議論することを目的として行われました。

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北野副所長の講演の様子

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下村恭民名誉教授の講演の様子

下村名誉教授は、「Development Cooperation in the Post-2015 Era: An East Asian Perspective」と題して講演しました。この中で、ポスト2015における「自助努力」という考え方の重要性を指摘し、東アジア地域の経済成長の経験を踏まえた上で、貿易・投資・援助を有効に活用する「三位一体型」の開発と同時に、貧困層が裨益するビジネスモデル(BOP)タイプの取組を相互補完的に組み合わせていくことで、包摂的な開発を実現していく可能性を提起しました。下村名誉教授の講演の後には、GIZのGiehler企画部長とともに北野副所長が登壇し、約100名の参加者とともに、活発な討論が行われました。

北野副所長は翌日、MGGプログラムの新興国をテーマとしたセミナーで「Introduction of JICA’s activities: focusing on research」と題して講演し、ゲイツ財団と連携し債務返済に革新的な手法を用いたパキスタンでのポリオ撲滅プログラムなど、JICAの先進的な協力事例と研究所の活動を紹介し、あわせて新興国研究の成果として発刊された研究所ワーキングペーパー「中国の対外援助推計」について紹介しました。

JICA研究所とDIEは2011年に合同で開催した「一般財政支援ワークショップ」を契機に、研究員間の人事交流や、「援助の氾濫」をテーマとしたワークショップの開催(2014年2月)などの連携を進めてきました。JICA研究所は、共通する研究分野を念頭に、今後も同研究所との連携を深めていく予定です。

開催情報

開催日時:2014年9月1日(月)~2014年9月3日(水)
開催場所:ドイツ、ボン

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