The Cost Efficiency of Cambodian Commercial Banks: A Stochastic Frontier Analysis

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カンボジアの銀行セクターは、同国における高い経済成長の持続に伴い、この数十年で急速に規模を拡大してきました。一方で、銀行のパフォーマンスについては懸念も生じています。また、銀行セクターに関する定量的な研究が不足しているため、問題に対応するための効果的な政策を打ち出すのが難しくなっています。

本論文では、2012~2015年にわたって34のカンボジア商業銀行の費用関数を推定し、各銀行の経営効率性の評価を行いました。本研究で計算されたカンボジアの商業銀行の平均的な銀行の経営効率性のスコアは、銀行の産出物を貸付額および預金額として測定した場合は0.60、金利収入および非金利収入として測定した場合は0.77でした。この結果は、銀行経営を効率化すれば、同じ産出量を維持した上で資金動員の面では40%の費用を、利益創出の面では23%の費用を削減できる可能性があることを示唆しています。本論文では、これら両方の定義で見た銀行の生産活動について、前述の期間中に経営効率性の改善が見られたことを明らかにしています。さらに、本論文では、経営効率性の要因の分析も行い、支店を地方に拡大している銀行ほど経営効率性が低いこと、高い流動性を維持している銀行ほど効率性が高いこと、そして銀行業務の多様化は効率性の悪化と相関していることも示しています。

本論文は、JICA緒方貞子平和開発研究所の研究プロジェクト「カンボジアにおける自国通貨利用促進に関する実証研究」の成果として、「The Singapore Economic Review」にオンラインで掲載されたものです。

https://doi.org/10.1142/S0217590821500673

著者
相場 大樹奥田 英信 
発行年月
2021年10月
言語
英語
ページ
20ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #貧困層支援・格差是正
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト