『未来をひらく道 ネパール・シンズリ道路40年の歴史をたどる』

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『未来をひらく道 ネパール・シンズリ道路40年の歴史をたどる』

JICA研究所では、これまでに行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析して書籍としてまとめた「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第14弾として、『未来をひらく道 ネパール・シンズリ道路40年の歴史をたどる』を刊行しました。

インドと中国という大国に挟まれ、港を持たない内陸国であるネパールにとって、インドに通じる幹線道路は、モノと人びとの移動を確保する重要な生命線です。本書でとりあげているシンズリ道路は、そのネパールの生命線としての役割を果たす重要なインフラとして、我が国無償資金協力の事業として建設されました。シンズリ道路は、建設の必要性が早くから注目されていたにもかかわらず、その実現には、構想から40年、建設20年という長い年月を待たなければなりませんでした。

その長い年月の間には、実に多くのことが起こりました。国際場裏では、東西冷戦構造とその崩壊、中国とインドの綱引き。日本では高度経済成長期にはじまった政府開発援助(ODA)の拡大、そして抑制への転換。ネパール国内では、400年以上続く王政を揺るがす民主化運動に、10年にわたる内戦と、その終結と和平合意、連邦民主共和国としての新たなる国づくりの始まり。建設現場は、こうした国内外の情勢に起因する数々の困難をくぐり抜けねばなりませんでした。

本書は日本の対ネパールODAの黎明期に遡る事業の構想から建設に至る歴史、そしてその実現に貢献した人々のプロフィールと活躍、さらに完成によってもたらされたインパクトについてまとめたものです。また同時に、ネパールの現代史と、2016年に国交樹立60周年を迎える日本とネパールの交流史を概観する内容となっています。

著者
亀井 温子
発行年月
2016年3月
出版社
佐伯印刷
言語
日本語
ページ
207ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #運輸交通
研究領域
経済成長と貧困削減
ISBN
978-4-905428-62-6