No.115 Can School-Based Management Generate Community-Wide Impacts in Less Developed Countries? Evidence from Randomized Experiments in Burkina Faso

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住民参加型の学校運営方式であるschool-based management(SBM)の効果は、開発途上国においても多くの研究によって検証されてきたが、必ずしもその評価は定まっていない。本研究は、ブルキナファソにおけるSBMの効果をランダム化比較試験によって推計したものである。本研究の特長は、SBMが生徒の成績に与える効果ではなく、SBMを通じて生徒の親が学校経営に参加することで互いの信頼関係が強化され、地域のインフォーマルな金融的相互扶助組織である回転型貯蓄信用講(ROSCA)がより発展するかどうかを検証したところにある。分析の結果、特に貧しい家庭では、生徒の親がSBMに関わることで他人に対する信頼感を増し、ROSCAにより参加するようになったことが見出された。この結果は、途上国において社会関係資本が金融市場の失敗を修正する役割を担うという考え方(Hayami 2009)と整合的である。また、生徒の成績に焦点を当てた効果分析は、SBMが地域全体に与える影響を過小評価することを示唆している。

著者
戸堂 康之、 小塚 英治、 澤田 康幸
発行年月
2016年2月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #教育
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト