No.120 Election, Implementation, and Social Capital in School-Based Management: Evidence from a Randomized Field Experiment on the COGES Project in Burkina Faso

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本論文ではブルキナファソにおける学校運営委員会(COGES)設立の効果を検証する。これらの委員会は地域住民から選出されたメンバーを含んでおり、年次活動計画の立案・実施や地域住民と教員間の自発的公共財供給を促すものである。本研究ではランダム化比較実験と、公共財供給に関する人工的フィールド実験(Levitt and List 2007)を組み合わせることで、地方公共財供給における持続可能性という今まで十分に研究が行われてこなかった課題を検証し、そのメカニズムを明らかにする。分析の結果、COGESプロジェクトは公共財実験にて計測された社会関係資本、特に学校・保護者間の連結型社会関係資本(linking social capital)を有意に高めることが明らかになった。COGESプロジェクトの実施は公共財の自発的供給を平均的に8-10.2%高める。特に、校長・教員・保護者から成るグループについては、運営委員選出のための民主的選挙を通じて12.7-24.1%、プロジェクトの実施を通じて11-17.2%公共財供給を高める。これらの結果により、学校運営委員会の設置は公共財供給を高めることでコミュニティによるプロジェクト費用の自己負担を促進し、プロジェクトの財政的持続可能性を高めることが示唆される。さらに、これらフィールド実験に基づくデータの分析結果は当該学校の現実の意思決定データの分析結果とも整合的である。また、本研究の分析結果は行動経済学における社会的選好のモデルを支持するものでもある。

著者
澤田 康幸、 會田 剛史、 Andrew S. Griffen、 小塚 英治、 野口 晴子、 戸堂 康之
発行年月
2016年3月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #教育
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト