JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.223 Evaluating the Robustness of Project Performance Under Deep Uncertainty of Climate Change: A Case Study of Irrigation Development in Kenya

世界的に気候変動適応事業への投資が増加する一方で、投資効果の評価手法は確立されていない。その理由の一つとして、気候変動に対応する事業効果の評価には、深い不確実性(deep uncertainty)が伴うためである。本研究では、ケニアの灌漑開発事業を取り上げ、気候変動という不確実性下で計画される事業の効果を評価した。評価手法として、頑健(robust)な意思決定法(RDM)に基づくシミュレーション分析を行い、事業により期待される効果の頑健性(robustness)評価を行ったところ、灌漑開発が将来起こりうる様々な条件下において家計所得を増加させること、特に営農といった現場での適応対策を合わせて実施する場合に顕著であることを明らかにした。これらの効果は、事業実施を通じ実現した気候変動による被害の軽減を一部反映したものである。

なお、本研究の分析手法は、開発機関が実際の評価プロセスで実施可能な方法で行っている。最後に本稿では,RDMに基づく事業評価を気候金融の分野に適用する際に関連する様々な要素についても議論している。

キーワード: 気候変動適応、気候金融、不確実性、頑健な意思決定(RDM)、経済評価、灌漑、農業、アフリカ

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