JICA緒方貞子平和開発研究所ナレッジフォーラム「日本が選ばれる国になるために -インドネシアにおける国際労働移動メカニズムからひも解く-」
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Photo: UN Women/Staton Winter
日本では、少子高齢化、人口の減少に伴う労働力の減少などにより産業現場での人手不足が深刻化し、海外からの移動労働者の受け入れが拡大しています。その数は、過去10年間で 65.0 万人(2011年)から 172.4 万人(2020 年)へと約 2.7 倍に大きく増加し、就業者に占める割合も 1.0%から 2.6%となりました。日本の労働市場に占める外国人労働者の存在は今後も次第に大きくなり、JICA緒方貞子平和開発研究所の調査(2030/40年の外国人との共生社会の実現に向けた取り組み調査・研究報告書 )では、2030年には356万人、2040年には632万人の需要が見込まれています。国際労働移動が世界的にも増加し、アジア諸国からの国際労働移動者が年間約600万人程度に上る現代において、外国人労働者を必要としている国々の中から日本が選ばれるためには、技能実習生の人権侵害や、偽装留学生などの不安定就労層の固定化などの問題を解消し、ミスマッチや高額手数料などがなく「安全」に働ける国となるだけでなく、外国人労働者にとって他の受け入れ国に比べ「魅力的」な国になるための将来を見据えた取り組みが必要です。加えて、この「安全で魅力的な移動ルート」の確立には、受け入れ国日本だけでなく、送出国での国際移動経路の選択メカニズムも考慮した二国間の協働が鍵となります。
本フォーラムでは、特定技能制度による日本への移動労働者数を今後5年間で7万人にするという積極的数値目標を掲げるインドネシアを事例として取り上げます。2017-2022年のインドネシアからの国際労働移動者に関するパネルデータに加え、政府、訓練・送出機関、リクルーター、そして海外就労予定者へのヒアリング調査から捉えた国際移動メカニズムの現状と課題に着目し、主要な受け入れ国のなかでの日本の位置づけや、関係者が考える「安全で魅力的な移動ルート」についての研究結果を報告します。また、パネルディスカッションでは研究結果を基に、現状では「選ばれにくい」日本の位置づけを打破するために必要な取り組みについて意見交換し、「魅力的で安全な移動ルート」を確立するために重要な視点について議論を深めます。
16:00~16:05 開会あいさつ
宮原 千絵 JICA緒方研究所 副所長
16:05~16:10 趣旨説明
齋藤 聖子 JICA緒方研究所 主任研究員
16:10~16:55 パネリストによる発表
・インドネシアにおける送出システムの課題
ブディアント フィルマン(Budiant, Firman)インドネシア国立研究イノベーション庁(Badan Riset dan Inovasi Nasional:BRIN)研究員
・国際移動労働希望者の個人的意思決定プロセス:送出事例をもとに
浅井 亜紀子 桜美林大学 教授
・ 国際労働移動に関する意思決定メカニズムとは:「魅力的で安全な日本への移動ルート」を確立するために
齋藤 聖子 JICA緒方研究所 主任研究員
16:55~17:55 パネルディスカッション、質疑応答
・モデレータ:
天目石 慎二郎 JICA緒方研究所 上席研究員
・パネリスト:
ファーラー グラシア (Liu-Farrer, Gracia) 早稲田大学 教授
西田 基行 JICA専門家(インドネシア 外国人材受入・送出促進アドバイザー)
齋藤 聖子 JICA緒方研究所 主任研究員
浅井 亜紀子 桜美林大学 教授
ブディアント フィルマン(Budiant, Firman) インドネシア国立研究イノベーション庁(Badan
Riset dan Inovasi Nasional:BRIN)研究員
17:55~18:00 閉会あいさつ
宍戸 健一 JICA理事長特別補佐
JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:梶野)
メール:dritrp@jica.go.jp
以下のフォームから2023年12月7日正午までにご登録下さい。
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