ストックホルム水大賞・沖大幹教授登壇「気候変動が進行する世界で食料安全保障を実現するための水資源戦略」(JICA緒方研究所ナレッジフォーラム)
掲載日:2024.10.21
セミナー |
JICA緒方研究所について
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掲載日:2024.10.21
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日本を含む一部の国々は既に人口減少が始まっており、国連の人口予測によると東・東南アジア地域は2030年代に、中南米は2050年代に人口がピークを迎え減少に転じると予測されていますが、アフリカを中心に世界人口は増え続け、ピークを迎えるのは2080年代と予測されています。人口増加に伴い、食料需要も増加することが予測されますが、食料生産を増やすための鍵となる資源が水です。
人類が利用している水の大半は、食料生産に使われていますが、水の賦存量は地域によって大きな偏りがあります。この水賦存量の偏りを調整する役割を果たしているのが食料の貿易で、食料の輸入国は、食料を自国で生産する代わりに輸入することによって自国の水需要を減らすことができます。これは、間接的に水を輸入したと考えることができ、輸入する食料を生産するために必要であったはずの水はバーチャル・ウォーター(仮想水)と呼ばれ、食料の貿易はバーチャル・ウォーターの貿易という側面も持っています。
現在、バーチャル・ウォーターの主要な輸出国は、ブラジル、中国、米国、カナダ、アルゼンチン、ロシアなどです。しかし、進行する気候変動の影響で気温や利用可能な水資源量の分布が変化していくことが予測される中で、これらの国々は引き続きバーチャル・ウォーターの主要な輸出国であり続けられるのでしょうか。気候変動の影響は、新たなバーチャル・ウォーターの輸出国の登場を促す可能性もありますが、食料生産を左右する要素は、水だけではなく、気温を含む気候条件、地形・土壌条件、土地の面積と権利関係、投入される資本、技術、労働力など多岐にわたり、これらの条件を満たして新たなバーチャル・ウォーターの主要輸出国になり得る国はあるのでしょうか。
開発途上国は、変化する気候、人口動態、地政学的情勢の中で、食料安全保障を実現していくために難しい舵取りを迫られるかもしれません。その中で、どのような水資源戦略が有効な選択肢となり得るのでしょうか。また、そうした水資源戦略を、どのように開発協力で支援できるのでしょうか。
本ナレッジフォーラムでは、水分野の研究者として世界的に著名な東京大学大学院の沖大幹
教授をお招きし、標題のテーマについてご講演いただきます。続いて、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター 白鳥佐紀子氏とJICA緒方研究所の佐藤一朗
上席研究員との対話により議論を深めます。
16:00‐16:05 (5分)
開会あいさつ
・JICA緒方研究所 宮原千絵
副所長
16:05‐16:50 (45分)
講演「気候変動が進行する世界で食料安全保障を実現するための水資源戦略」
・東京大学 沖大幹
教授
16:50‐17:50 (60分)
パネルディスカッション・質疑応答
・東京大学 沖大幹 教授
・国立研究開発法人国際農林水産業研究センター 白鳥佐紀子 情報広報室 プロジェクトリーダー
・JICA緒方研究所 佐藤一朗
上席研究員
17:50閉会
以下のリンクからお申し込みください。
※お申込みは2024年12月5日(木)12:00(正午)で締め切らせていただきます。
JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:梶野)
メール:dritrp@jica.go.jp
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