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駒澤客員研究員が第40回日本国際保健医療学会学術大会でのシンポジウム「世界における若者の健康の現状と課題:Post SDGsに向けて」に登壇

2025.12.08

2025年11月1〜2日に帝京大学で開催された第40回日本国際保健医療学会学術大会 において、JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の駒澤牧子 客員研究員がミニシンポジウム「世界における若者の健康の現状と課題:Post SDGsに向けて」に登壇しました。

写真:ウガンダの研究結果を発表するJICA緒方研究所の駒澤客員研究員

ウガンダの研究結果を発表するJICA緒方研究所の駒澤客員研究員

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)が掲げられてから、若者の健康(Adolescent Health)は国際保健分野でようやく注目され始めたものの、依然として基礎的データが不足し、効果的な介入手法の開発や実践は限られています。本シンポジウムは、こうした課題を共有し、政府や市民社会における認識を高めることを目的として企画されました。

冒頭、座長を務めた国立健康危機管理研究機構国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センターの大川純代氏が開催趣旨を説明。その後、5人の登壇者が多様な観点から発表を行いました。

国立健康危機管理研究機構国際医療協力局運営企画部の小原ひろみ氏は、世界の若者人口の増加や、現在の10代の若者が直面している複合的健康リスク(紛争、気候変動、移民、不健康な健康プロモーション、失業など)について概説しました。慶應義塾大学看護医療学部の藤屋リカ氏は、慢性的な紛争下にあるパレスチナの青少年の健康課題とヘルスリテラシーの現状について発表しました。大川氏は、ザンビアのHIV感染とともに生きる若者におけるパートナーへのHIVステータスの告知経験と性行動に関する研究結果を報告しました。

駒澤客員研究員は、JICA緒方研究所の研究プロジェクト「ウガンダの若者の望まない妊娠に関する介入研究 」の一環として、ウガンダのモバイルマネー店舗を活用した10代の若者への性教育とコンドーム利用に関する社会実装研究 の結果を発表しました。最後に、国立健康危機管理研究機構国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センターの細澤麻里子氏が大規模データを用いた思春期のメンタルヘルスに関する国際比較研究結果とともに、WHOによる「思春期の健康測定のためのグローバル・アクション(Global Action for Measurement of Adolescent Health: GAMA) 」の国際委員としての立場から、思春期の健康指標の普及や今後の活用について紹介しました。

討議セッションでは、フロアーから活発な質問やコメントが寄せられ、閉会後も各登壇者は個別に多くの質問や意見を受けるなど、国際保健分野の研究者、実務者、学生などの参加者の関心の高さがうかがえました。

写真:活発な議論が行われた討議セッション。右から大川座長、細澤氏、駒澤客員研究員、藤屋氏、小原氏

活発な議論が行われた討議セッション。右から大川座長、細澤氏、駒澤客員研究員、藤屋氏、小原氏

本シンポジウムを企画したメンバーは、若者の健康とウェルビーイングの課題はポストSDGs時代に向けてさらに重要性を増すと認識しており、今後、グローバル・国家・市民社会の各レベルで若者の現状を正確に把握し、必要なアクションを研究者から発信していく重要性を改めて確認しました。本シンポジウムは、その第一歩となる意義深い機会となりました。登壇したメンバーは、今後も引き続き、若者の健康に関する啓発および研究成果の発信に取り組んでいく予定です。

また、JICA緒方研究所の保健医療分野についての出版物は、以下からご覧になれます。

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