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保健政策システム研究について議論する日本HPSRフォーラム第1回研究報告会が開催

2026.05.08

2026年3月11日、日本国内における保健政策システム研究(Health Policy and Systems Research: HPSR)のフォーラムである日本HPSRフォーラムの第1回研究報告会がオンラインで開催されました。

同フォーラムは、2024年11月に長崎で実施された第8回世界保健システム研究シンポジウム (The 8th Global Symposium on Health Systems Research 2024: HSR2024) で国内組織委員会(Local Organizing Committee)を務めたJICAを含む7つの団体が主体となり、2025年7月に設立されたものです。その目的として、以下の3つを掲げています。

1)日本国内におけるHPSR研究者のネットワークを構築、維持し、グローバルな観点からHPSRの推進を図る
2)日本の保健政策・システムの現状や課題、優れた点のグローバルな発信を促進する
3)HPSRの研究方法論のインベントリーを作成し、フォーラム参加団体内でそれらを実施できるリソースパーソンのスキルマッピングをする

写真:2024年に長崎で開催された第8回世界保健システム研究シンポジウム(The 8th Global Symposium on Health Systems Research 2024: HSR2024)

2024年に長崎で開催された第8回世界保健システム研究シンポジウム(The 8th Global Symposium on Health Systems Research 2024: HSR2024)

同フォーラムの最初の活動となった第1回研究報告会では、長崎大学の北潔教授による開会のあいさつに続き、国立健康危機管理研究機構国際医療協力局の村上仁人材開発部長がモデレーターを務め、第1部の発表と第2部の討論が行われました。

第1部では、JICAの戸川翔太郎職員による「セネガルにおける保健財政改革の政治経済分析および公平性分析:UHCの実装に向けて」と題した実証研究から、ラオスでの看護開発計画策定に関する政策プロセス、カンボジアでの看護人材整備を事例とした保健政策研究の手法、顧みられない熱帯病対策プログラムの国家保健システムへの統合に関する分析フレームワークの開発、保健医療システムの質を評価する国際的な研究としてのPeople’s Voice Surveyの紹介、石島久裕JICA専門家(フジタプランニング調査計画部長)によるタンザニアの州リファラル病院での5S・カイゼン手法を用いた医療廃棄物管理の改善についての事例研究まで、幅広いテーマでの発表と質疑応答が行われました。

第2部では、「政策分析において、既存のフレームワークを使うことの利点と欠点は?」といった複数のテーマで討論が行われ、JICA緒方貞子平和開発研究所の瀧澤郁雄 主席研究員も参加。不適当なフレームワークの援用により、かえって分析が複雑化するリスクも指摘した上で、研究者以外の利用者にも分かりやすい論旨を心がける必要性を指摘し、HPSRの在るべき姿についての議論を深めることに貢献しました。

最後に閉会のあいさつを述べたJICAの牧本小枝審議役(元JICA緒方研究所主席研究員)は、「このフォーラムがODAを含む海外での国際協力の質の向上や、その成果をより汎用性の高い形で発信していくこと、さらに日本国内の政策や経験を国際的に紹介していくことなどを促進し、JICA、コンサルタント、大学の研究者、国内外の関係者の連携につながれば」と期待を寄せました。日本HPSRフォーラムの研究報告会は、これから年に2回ほど開催される予定です。

なお、2024年に開催されたHSR2024に関するJICA緒方研究所の取り組みは以下にまとめています。

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