『SDGs、変革、質の高い成長』
JICA緒方研究所について
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世界は感染症のパンデミック、極度の貧困、地球温暖化や気候変動、格差の拡大など、多くの深刻な困難に直面しています。このような状況に対処するには、成長の「質」を高め、人間の安全保障、雇用、包摂性、持続可能性、強靭性(レジリエンス)などを目指す新たな取り組みが不可欠です。すなわち「質の高い成長」(quality growth)の実現が緊急に必要とされています。一方で、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)をはじめ、近年の成長と開発に関する国際的議論では、経済的および社会的変革(transformation)がますます重視されるに至っています。
このように、近年、成長の質の重要性、経済的および社会的変革の重要性に関して、コンセンサスが強まっており、質の高い成長のためには変革のプロセスが重要なことも指摘されています。
本書の主要な目的は、SDGsや変革のプロセスを念頭に質の高い成長に関する研究を行うことにあります。包摂性、持続可能性、強靱性といった質の高い成長の本質的属性、「変革」と「質の高い成長」との関係について考察するとともに、国際協力の経験に基づいて、それらを実現するための戦略、アプローチについて研究を行いました。
本書は、JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の研究プロジェクト「『質の高い成長』にかかる研究」の最終成果であり、2022年3月に発刊された『SDGs, Transformation, and Quality Growth: Insights from International Cooperation』(関連リンク参照)の日本語版です。
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