『Crisis Management Beyond the Humanitarian-Development Nexus』

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近年、相次ぐ自然災害、武力紛争の長期化、気候変動など、さまざまな危機によって、国境を越えた大規模な人的被害が生じています。人道危機にどう対処すべきか。人道危機対応は、被災国のみならず、まさにグローバルな課題となっています。

1991年の国連総会決議46/182以降、「人道支援から開発の連続的実施(continuum)」の必要性が指摘されてきました。つまり、危機発生時には、緊急人道支援だけでなく、予防や開発を見越した支援を早期に開始することが求められてきたのです。このことは、人道と開発といった伝統的な活動区分を超えて、多様なアクター間協力を一層強固にする要請につながってきました。こうした要請がある一方で、望ましいアプローチは見つからず、援助機関による模索が続いてきました。

本書は、さまざまな援助機関による人道危機対応における「人道支援と開発の連続的実施」の歴史と手法を整理し、6つの事例研究を通じてその実践と課題を浮き彫りにしています。事例研究は、紛争に起因する人道危機対応の在り方への挑戦を提示した東ティモール紛争、(南)スーダン紛争、シリア危機の3つの事例を扱っています。加えて、自然災害に起因する人道危機対応の在り方に大きな影響を与えた3つの事例として、ホンジュラスのハリケーンミッチ、スマトラ沖大地震およびインド洋津波、フィリピンの台風ヨランダを扱っています。

本書の編集・執筆には、JICA研究所のゴメズ・オスカル研究員、川口智恵研究員が携わっています。

編者
花谷 厚、 ゴメズ・オスカル、 川口 智恵
発行年月
2018年10月
出版社
Routledge
言語
英語
ページ
234ページ
開発課題
  • #平和構築
  • #気候変動対策
  • #防災
  • #人間の安全保障
研究領域
平和構築と人道支援
ISBN
978-1-138-54343-0(ハードカバー)
978-1-351-00682-8(eブック)
研究プロジェクト