『日本の国際教育協力—歴史と展望』
JICA緒方研究所について
JICA緒方研究所について
1950年代に日本が開発途上国に対する教育協力を開始してから約65年。留学生の受け入れや職業訓練センターの設置など小規模に開始された教育協力事業も、ODAの拡大とともに、高等教育と技術教育・職業訓練分野から基礎教育分野への支援へと、量的にも質的にも多様な展開をみせてきました。しかし、初期の教育協力事業を知る人はすでにほとんどなく、事業やアクターも多岐にわたるため、これまでその歴史的な全体像は十分に明らかにされていませんでした。
2015年に採択された持続可能な開発目標(SDGs)の教育目標に象徴されるように、途上国と先進国の双方が世界のさまざまな教育課題に共に取り組むというグローバルガバナンスの時代において、本書は日本の国際教育協力が未来に向けてどのような構想を描くことができるのか、過去を省察することによって導き出そうとしています。
本書では、1950年代以降、日本政府、JICA、NGOなどの多様なアクターが行ってきた教育協力の歴史を振り返り、その変遷や特徴を論じることにより、日本の国際協力が何を目指し、どのような貢献を行い、どのような課題に直面し、克服してきたのか、豊富な資料とデータに基づく分析で全体像を明らかにしています。
JICA研究所は日本の国際協力の歴史を記録するための研究に取り組んでおり、本書は、その一環として教育分野における国際協力の歴史研究の成果をまとめたものです。萱島信子JICA理事/研究所主席研究員と早稲田大学の黒田一雄教授(JICA研究所客員研究員)が編者を務め、JICA研究所の辻本温史リサーチ・オフィサー、荒川奈緒子リサーチ・オフィサーも本書の執筆・編集に携わっています。
本書の作成にあたり、基礎資料としてまとめた教育協力のプロジェクトリストは、こちらからダウンロード可能です。
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