No.18 How has Rice Production in Sub-Saharan Africa Expanded? A Comparison of Growth Rates Before and After CARD Implementation and the Case of Tanzania
JICA緒方研究所について
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サブサハラアフリカにおいては、近年コメの消費量の急速な拡大に伴い、生産量も拡大している。コメの生産の拡大は主に生産面積の拡大によってなされていると考えられている一方で、可耕地は減少していると言われている。本稿では、まずCARDのメンバー国におけるCARD実施前後のコメ生産の変化についてCAGRを用いて分析した。その結果、多くの国においてコメ生産はCARD後により高い成長率で拡大していること、その成長は主に生産面積の拡大によってなされていることが分かった。他方で、CARD後に生産性の改善によって生産量の拡大を達成しているタンザニアを例に、生産性改善をもたらした要因を分析した。タンザニアでは、稲作振興の総合的な政策が整備され、その政策の下で栽培技術の普及、灌漑面積の拡大、機械化の推進が行われたことが生産性の改善に貢献している。以上から、今後多くの国において生産面積の拡大フェーズから生産性の改善フェーズへの移行が必要となっており、そのためには限られた資源を栽培技術の普及を伴う灌漑整備等の生産性向上に直結する課題へあてるといった対応が必要であると考えられる。
キーワード:稲作、CAGR、サブサハラアフリカ、タンザニア、アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)
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