実施中プロジェクト
サブサハラ・アフリカにおける米生産拡大の実証分析フェーズ3概要
2008年5月のアフリカ開発会議(TICADⅣ)において打ち出された「アフリカ稲作振興のための共同体」(Coalition for African Rice Development: CARD)イニシアティブは、アフリカにおけるコメの生産拡大を通じて、中長期的な食糧問題の改善、および農村地域の振興と貧困削減に資することを目的としています。
本研究プロジェクトは、CARDイニシアティブの開始後すぐに開始したフェーズ1(2009~2014年)、フェーズ2(2014~2023年)に続くフェーズ3として実施するものです。
フェーズ2では、栽培研修の評価を4ヵ国(モザンビーク、タンザニア、ウガンダ、コートジボワール)で実施し、それに加えて機械化の研究を2ヵ国(コートジボワール、ケニア)、大規模かんがいの効率性に関する研究を2ヵ国(ケニア、セネガル)、コメの質の改善に関する研究を2ヵ国(ケニア、ガーナ)で実施しました。フェーズ1とフェーズ2の成果として、評価の高い国際学術誌に24編の論文が掲載されるともに、3冊の書籍が出版されました。フェーズ2の最終成果として『Rice Green Revolution in Sub-Saharan Africa
』と題する編書が2023年に出版されました。他方で、フェーズ2での研究の結果として新たに提起された課題に対応すべく、フェーズ3として研究を継続します。具体的には以下の2点が主な目的です。
① フェーズ2で十分に取り組むことができなかった普及員人材育成、天水田での農家間技術普及、機械化(小型トラクターの優位性と普及可能性)、バリューチェーン(VC)の改善に関してモデル化・標準化の検討を行い、アフリカの他の農業案件へのインプリケーションを得ること。
② 国内外の学術誌や学会における研究成果の発表など、幅広い情報発信を行う。また、TICADやCARD総会、JICA稲作専門家会合などの場でも成果を発表し、実務レベルへの貢献を図ること。
JICA技術協力プロジェクトをケーススタディーの題材とし、その中で実施した現地研修、機材供与などのインパクトについて検証を行います。研究対象国は、ウガンダ、タンザニア、ケニア、モザンビーク、セネガル、ガーナの6ヵ国を予定しています。
scroll