No.51 At-Risk Youth as a Source of Peacebuilding: Findings from a Field Survey in Liberia
JICA緒方研究所について
JICA緒方研究所について
本研究は、2025年にリベリアで実施したサーベイ調査のデータを用いて、社会的に疎外された、危険にさらされている若者(at-risk youth)がどのような人口統計学上の特徴をもつのかを明らかにする。また、危険にさらされている若者が、他者との交流関係や他者への信頼感などの観点で、危険にさらされていない若者と比較してどのような特徴をもつ傾向にあるのかを検証する。そのために、まずは、寝る場所、飲酒習慣、慢性感染症、内集団への所属という4つのリスク要因を用いて、若者か否かにかかわらず、危険にさらされている回答者を特定した。そして、どのような回答者がそうしたリスクを有する傾向にあるかを確認したところ、都市部のみならず、地方部で調査に参加した回答者の相当数が、また若者のみならず、30~40代の非若者層の相当数がリスクを有しており、社会的に脆弱な層が広く人口全体にみられることが明らかになった。また、多くの元戦闘員も危険にさらされた状態にあり、内戦終結から約20年が経過した現在でも、その影響が依然として継続していることが示唆された。次に、若者に限定して分析を行った結果、リスクの有無は、性別との間に統計的に有意な関係がない一方で、学歴や雇用状況との間に統計的に有意な関係があり、教育レベルの低い若者や、失業状態にある若者がリスクを有する傾向にあることが明らかになった。加えて、危険にさらされている若者は、家族から孤立し、一般的に他者を信頼しない傾向にあることも明らかになった。他方で、危険にさらされていない若者と同程度にコミュニティの集会に参加しているという結果も得られた。そのことから、こうした集会への参加、そして他者との交流を通じて、若者がリベリア社会の平和構築を促進する役割を担うことが期待される。
キーワード:危険にさらされている若者、リベリア、信頼