No.21 デジタル不平等(Digital Inequality)に関する考察:人間の安全保障の視点から
JICA緒方研究所について
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20世紀末からインターネットの普及が進むにつれて、デジタル空間への接続の有無に格差を見出すデジタル・ディバイド(digital divide)が注目されるようになった。その後、社会のあらゆる機能のデジタル化が加速度的に進展するなか、人びとのデジタル技術の利活用における差異に着目した「デジタル不平等(digital inequality)」が、今日において盛んに研究されている。本稿では、デジタル化を推進する上での課題としてデジタル・ディバイドから発展したデジタル不平等を取り上げ、デジタル不平等がどのような特徴を有した脅威なのか、誰がその脅威にさらされているのか、近年の研究を人間の安全保障の視点から整理する。
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