No.23 SDG Localization A systematic review of key themes and research modalities
JICA緒方研究所について
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2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までに対処が必要な、社会、経済、環境の課題に関する17の全世界的目標で構成されている。SDGsの現地化(ローカリゼーション)は、これらのゴール、ターゲット、指標を地域の文脈に適応させることである。SDGsの現地化に関連する文献は、各国が様々なアプローチと様々なレベルの取り組みを採り入れていくにつれて、関連文献が増加している。この文献レビューは、SDGsの現地化に関する研究テーマと手法に焦点を当て、SDGの実現に向けた努力と研究ギャップを特定し、政策立案者、研究者、関係者が効果的な戦略を検討する一助となるような今後の研究分野を模索し提示しようとするものである。研究テーマに関しては、SDGsの「政策、計画、能力開発」(特に国レベルの開発政策)への統合が最も人気のあるテーマであることが分かった。次に人気のあるテーマは、「環境と気候のレジリエンス」であり、中でもそのサブ・テーマのひとつ「生態系サービス(ES)」が注目されている。研究手法に関しては、SDGsを適応させるための「枠組み」の開発が研究者から最も注目を集めているが、SDGs達成に向けた進捗の「計測」とそのための「指標」にはあまり注目が集まっていないことが分かった。政策立案者には、SDGsを、環境(特にES)や気候変動などに関する国の政策に統合し、SDGsを地域の文脈に適応させるプロセスを加速することを著者らは推奨する。また、科学コミュニティには、SDGsの達成度計測の鍵となる良い指標の開発に着目しつつ、SDGsの進捗をより効果的に測定する方法を開発することを、著者らは提案する。
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