Nudging Not Nagging: Leveraging Mentorship and Patronage in Sino-Uzbek Relations, 2017-2022
本論文では、中央アジア諸国と中国などの大国関係をめぐる従来の実証研究を批判的に評価することで、中国とウズベキスタンの二国間関係を考察しています。ポスト実証主義および構成主義の枠組みと、四要因分析の枠組み(国内政治、経済利益、国際環境と安全保障、人々の感情やアイデンティティー) を活用し、ウズベキスタンが中国との関係において積極的な主体性を発揮してきた道筋を示しています。本論文は、ウズベキスタンなどの中央アジア諸国が、中国に対し特定の役割を果たすよう継続的かつ反復的に圧力をかける「nagging:ナギング(執拗な叱責)」と呼ばれる戦略とは対照的に、巧妙かつ間接的な方法で中国の行動を促す「nudging:ナッジング(後押し、優しい説得)」戦略をとっていると主張します。ウズベキスタンの対中国ナッジング戦略は、ウズベキスタン政府が望む政策決定の方向性へ、より容易に有利な形で中国が選択するよう誘導し、そのための環境や状況を作り出しています。協力ロードマップに描かれているように、ウズベキスタンのアプローチには、政策的選好の間接的な提示や、海外パートナーの多様化を含む選択肢が維持されていました。これは、中国と西側諸国との関係に見られるような、継続的かつ反復的な圧力、批判、脅迫、あるいは罪悪感をあおるようなアプローチとは対照的です。
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