Financial toxicity of cancer care in sub-Saharan Africa: protocol for a systematic review
JICA緒方研究所について
JICA緒方研究所について
サハラ以南のアフリカでは、2020~2030年の間に、がんによる死亡者数が倍増すると予想されています。しかし、がんの治療とケアへのアクセスには、経済的負担が依然として障壁となっています。サハラ以南のアフリカでは特に、がん治療に関連する患者や介護を行う家族への財政的負担に関する科学的データが不足しています。そこで、本レビューでは同地域のがん患者や家族介護者への財政的負担を「financial toxicity」という概念を用いて分析することを目的としています。
文献情報データベースPubMed、Scopus、Web of Scienceを用いて、サハラ以南のアフリカにおけるがん患者や家族介護者へのがん治療に関連した財政的負担について、2000年1月1日から2023年10月13日までに発表された英語の査読付き論文を対象に検索します。2人の研究者がそれぞれ論文のタイトル、要旨、全文をレビューし、意見の相違がある場合は合意が得られるまで議論を行い解決します。偏向に関するリスク評価は、ジョアンナブリッグス研究所(Joanna Briggs Institute)の批判的評価チェックリストを使用して実施します。そしてサハラ以南のアフリカにおけるがん治療関連のfinancial toxicityの分布などについて、定量的データと定性的データの形で取りまとめます。本レビューは、PRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses、システマティックレビューおよびメタ分析のための優先的報告項目)のガイドラインに従って実施します。
本レビューは公表された文献に基づいて実施するため、倫理審査は必要ありません。サハラ以南のアフリカにおけるがん治療へのアクセスを改善し、科学的データに基づく政策立案を促進する観点から、研究の成果は、がんや公衆衛生に関する主要な会議で発表されるほか、査読付き論文誌、ウェブサイト、ソーシャルメディアなどを通じて発信される予定です。
scroll