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Measuring Interregional Fund Flows in a Dollarized Economy: Evidence from Branch-Level Data of Deposits and Loans in Cambodia

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カンボジアでは、現在でも自国通貨のリエルだけではなく米ドルが使われています。同国では、極端なドル化経済からの脱却と金融包摂の強化が課題ですが、そのためには資金移動の実態把握が不可欠です。他方、部分的なドル化は多くの開発途上国の銀行セクターにおける一般的な現象ですが、支店ネットワークを通じて、それがどのように拡散するかに関する実証研究は依然として乏しいのが現状です。

本稿は、複数通貨の共存を特徴とするカンボジア銀行システム内の地域間資金移動を明らかにしています。支店レベルの預金・貸出データを用い、開発途上国の銀行セクターに適した地域間資金移動の測定方法を開発しました。分析の結果、地方の融資は、米ドル・リエルとも、プノンペンにおける預金の余剰資金とホールセール借入によって賄われていることが明らかとなりました。ただし、リエル預金が近年増加しているにもかかわらず、銀行によるリエル資金の再配分は活発ではありません。通貨別の融資・預金需要は、地域間で、異なるパターンを浮き彫りにしています。本研究は、ドル化経済における自国通貨利用の促進と金融包摂の強化には、通貨固有の動向を理解する必要性を強調しています。

著者
相場　大樹、 ユー・ヴィシーア
発行年月
2025年8月
掲載誌
Asian Development Review
言語
英語
ページ
39
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #経済政策
研究領域
経済成長と貧困削減
DOI
https://doi.org/10.1142/S0116110525500258
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