Strengthening Support of Teachers for Students to Improve Learning Outcomes in Mathematics: Empirical Evidence on a Structured Pedagogy Program in El Salvador
JICA緒方研究所について
JICA緒方研究所について
前期中等教育における深刻な「学習の危機」に対するアプローチとして、教材配布に教員研修などの複数のコンポーネントを組み合わせて構成される介入プログラム(structured pedagogy program)の実施が効果的であることが、エビデンスにより示されています。同プログラムにおいてはさまざまなコンポーネントの組み合わせが可能であることから、本研究では、エルサルバドルにおける数学教育を対象とした介入プログラムに関し、2年間にわたるランダム化比較試験を実施しました。同実験では、数学の教科書配布などからなる介入プログラムに対し、教員による生徒への学習支援強化を目的として、生徒の学習状況を把握するための数学のテストや、ワークブックの配布を付加し、それら追加的コンポーネントによる生徒の数学学習成果への効果を推定しました。実験の結果、実験1年次には、追加的コンポーネントにより介入群における学習成果が標準偏差0.17向上しました。他方で、介入群と対照群との間に介入プログラムの内容に相違のなくなった実験2年次には、介入群における学習成果が対照群を引き続き上回ったものの、それら2群の差は統計的に有意ではなくなりました。
scroll