【実施報告】2020年度 教師国内研修 第6回研修

2020年12月24日

11月21日(土)、教師国内研修の第6回研修を実施しました。今回と次回研修にて、これまでの講義やWEBインタビュー、鶴見地区フィールドワークの経験をいかし、実際に学校現場等で活用できる国際理解教育/開発教育ワークショップ案(参加型学習教材案)の作成を目指します。

【あなたは誰ですか?】

導入として、「あなたは誰ですか?」の問いに対して「私は〇〇です」という回答を3つ考えて共有する時間を持ちました。参加者からは、「私は人間です」や「私は日本人です」「私は写真家です」「私はニュー横浜市民です」「私はおじさんです」「私は元気な人です」など様々な回答がありました。
単純な問いですが、自分が何者かを考えるきっかけになることもあり、一方で「私は〇〇です。でも誰も認めてくれません、または、嫌ですが、」などの自身のアイデンティティで問題や壁を抱えている人がいることを想像するヒントにもなる問いかけになりました。

【ワークショップ体験】

ワークショップ体験の様子
(ロールプレイの手法を使ったワークショップ)

次に、ワークショップ作成のヒントにしていただくために、いくつかのワークショップを体験しました。認定特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)発行の「レヌカの学び」(注1)、2018年度JICA横浜教師海外研修参加者作成の「『あたりまえ』ってなんだろう?」(注2)などを実施しました。体験とふりかえりの組み合わせによって、学習者の気づきを引き出すようなワークを体験したことで、参加者の皆さんはイメージが沸いたようでした。

【ワークショップ案づくり】

ワークショップの骨子づくりの様子

続いて、「多文化共生~困難を豊かさに変えるプロセス~」という本研修のテーマに沿って、ワークショップ案の作成を始めました。
まずは、ワークショップの土台となる骨子を考えるセッションを設けました。授業を通して子どもたちに、「Why(多文化共生を伝える意義)」と、「What(何を引き出して何に気づかせたいのか)」について参加者が主体的にじっくりと話し合いました。

その後、話し合った骨子を元に3つのグループに分かれ、それぞれの案についてワークショップの流れをつくりはじめました。話し合いの途中で、各グループが考えたことを紹介し、全員でコメントを出し合いました。なかなかいい方法が浮かばす混沌とした状況から、それぞれのアイディアによって新しい発見や気づきが生まれており、その状況を参加者全員がとても楽しみながら行っているようでした。

研修最後のふりかえりの中でも、「ワークショップ案をつくるこの過程が、とても有意義な時間でした」という感想が挙げられました。
次回研修でも今回の案を元にワークショップづくりを進めていきます。ワークショップの完成が楽しみです。

【教師国内研修とは】

教師国内研修は、これまでJICA横浜にて実施していた、教師海外研修の代替研修として本年度新たに実施されることとなった研修です。国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員のみなさんを対象に、web交流、インタビュー、フィールドワーク等を通して、日本人移民や日系人のことを知り、日本に暮らす日系人や外国人の皆さんの現状・課題を学び、その経験をそれぞれの教育現場で、児童・生徒の皆さんに伝え広げていただくことを目的として実施しています。