第5回アフリカ開発会議(TICAD V: The Fifth Tokyo International Conference on African Development)が開幕

−20周年を迎えるTICADプロセス:JICAの貢献−

2013年5月31日

6月1日、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜にて開幕します。TICAD V本会合は3日まで続き、この間、各国首脳を含む40ヵ国を超えるアフリカからの代表団、共催者である日本政府、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)のリーダーに加え、アフリカの新しいパートナーとして重要性が増している新興国のリーダー、民間企業、研究者、また市民社会団体等が一堂に会し、アフリカ諸国の包括的、持続可能かつダイナミックな開発に向けて、取り組むべき方策を議論します。

TICADプロセスは、今回のTICAD Vで20周年を迎えます。1993年、東西冷戦の終結に伴い、アフリカ諸国に対する関心が薄れゆくなか、わが国はアフリカへの支援の重要性を国際社会へ呼びかけるため、国連などと共催し、TICADを開催しました。その後、TICADは1998年、2003年、2008年と5年ごとに日本で開催され、変化するアフリカ諸国の課題を整理し、国際社会に発信し、支援・協調を呼びかける役割を果たしてきました。TICADプロセスを通じて日本政府は、アフリカ自身の「オーナーシップ」と、これを支える多様なアクターとの「パートナーシップ」の促進に取り組んできました。

20年目の節目を迎えるTICAD VにおいてJICAは、開催国である日本政府の援助機関、かつ世界最大の二国間援助機関として、TICAD IVで約束された協力の実施、TICAD V成果文書へのインプットや日本政府の支援策検討への参画をはじめとするさまざまな形で貢献をしています。

また、JICAは、日本の経験やこれまでの事業を通じた現場の知見を生かし、これからのアフリカの開発の深化に貢献すべく、TICAD V公式イベントとして、セミナーシリーズ「インクルーシブでダイナミックなアフリカの開発」を開催します。5月31日、TICAD V本会合開幕に先立ち、JICAセミナーシリーズがスタートしました。

JICA連続セミナーのひとつとして、TICAD Vハイレベルパネル「インクルーシブでダイナミックなアフリカの開発(注)」を開催しました。緒方貞子特別顧問が開会挨拶を行い、アフリカ諸国が前回のTICAD IV以降、高い経済成長を遂げている一方で、いまだ高い貧困水準や乳幼児死亡率といった分野や、若年層雇用、そして一部の地域における国際テロの脅威などの課題に直面しているなか、TICAD Vの3本柱である1.「強固で持続的な経済成長」、2.「包摂的で強靭な社会開発」、3.「平和と安定」 はどれも人間の安全保障に密接に関連しており、アフリカの持続的な開発のためには、これら人々の生存、生活、そして尊厳に関わる課題に正面から取り組むことが肝要であると述べました。

その後、パネルディスカッションのモデレーターを田中明彦JICA理事長が務め、アラサン・ワタラ・コートジボワール共和国大統領、マッキー・サル・セネガル共和国大統領、およびハイレマリアム・デサレン・エチオピア連邦民主共和国首相が、それぞれの国家の現状と課題、そして「インクルーシブでダイナミックなアフリカの開発」を推し進めるために有効なアプローチ等について討論しました。各指導者は、「アフリカは『若者の大陸』であり、若者や女性を含めた開発なくして、平和の実現は無い。アフリカの開発を持続していくためには、インフラ整備、人材の育成が必要である。JICAに期待する」として、日本に対する期待の言葉が述べられました。

JICAは、6月3日までの4日間、TICAD V本会合出席者に加え、一般市民、メディア関係者を対象とした計19のセミナーを開催します。


(注)JICA連続セミナー「インクルーシブでダイナミックなアフリカの開発」の様子は、下記テレビ番組にて公開されます。

1.NHK WORLD  6月2日(日)18:10 〜18:59
“TICAD V High-level Panel Discussion Inclusive and Dynamic Development in Africa”
「TICAD V関連シンポジウム インクルーシブでダイナミックなアフリカの開発」
(日本では、NHK WORLDのホームページ<英語版>で番組をご覧いただけます)

2.NHK Eテレ 6月15日(土)14:00〜14:59 
「TVシンポジウム」