田中理事長がUNRWAのクレヘンビュール事務局長と会談

2014年10月28日

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修正MOUに署名したクレヘンビュール事務局長(左)と田中理事長

田中明彦JICA理事長は、10月23日、今年3月に就任した国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のピエール・クレヘンビュール事務局長とJICA本部(東京都千代田区)で会談しました。

JICAとUNRWAは、2011年に業務協力協定(MOU)を締結し、パレスチナ難民支援における連携を強化してきました。以後、連携範囲が拡大してきたことから、会談に先立って田中理事長とクレヘンビュール事務局長は、協力分野や範囲を追加した修正MOUに署名しました。

クレヘンビュール事務局長は、「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)イニシアチブ」(注1)やUNRWAがヨルダンで運営する学校へのJICAボランティア派遣に加え、UNRWAへのJICA職員の派遣について謝意を述べると、田中理事長は、これらの人的貢献をさらに進めていきたいと答えました。

厳しさが増す一方のパレスチナ難民の状況を踏まえ、クレヘンビュール事務局長が人道支援だけでなく、長期的視野に基づく開発、特に人的資源の開発が重要であると話すと、田中理事長は、日本が進めるジェリコの農産加工団地(注2)の協力を雇用拡大と地域開発につながる事業として紹介しました。

さらにクレヘンビュール事務局長がガザの状況に言及し、復興支援の必要性を述べたところ、田中理事長は、ガザへの直接支援に加え、厳しい状況の中でも情勢が安定しているヨルダンを周辺国安定のためにも重要な国と位置付け、同国に対する支援も重視していると応じました。


(注1)Conference on Cooperation among East Asian Countries for Palestinian Development。日本政府が主導するパレスチナ開発のための東アジア協力促進会合。参加国間で東アジア諸国の経済発展の経験や対パレスチナ支援の知見を共有し、効果的な協力関係の在り方を検討することでパレスチナの国家建設努力を後押しし、これにより中東和平の推進および地域の安定化に貢献することを主な目的とする。
(注2)パレスチナの持続的な経済開発のために、ヨルダン川西岸地区に日本の支援で整備された農産加工団地。