2014年12月25日
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会場の様子 |
JICA研究所では、政治学や文化人類学など様々な学問の観点から青年海外協力隊(JOCV)事業を分析する研究プロジェクト「青年海外協力隊(JOCV)の学際的研究」を実施しています。これまでに、協力隊の歴史(第1回)、人類学から見た協力隊(第2回)、海外ボランティア事業の国際比較(第3回)というテーマでセミナーを開催しました。第4回目となる今回は、協力隊の目的の多様性、特に開発協力と青年育成の関係性に焦点を当て、研究発表が行われました。
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(左から)岡部主任研究員、 須田研究所助手、白鳥研究員 |
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(左から)白川准教授、 橋口特定教授、三次審議役 |
最後に、JICA研究所の白鳥佐紀子研究員と須田一哉助手が協力隊員の類型化について発表しました。研究所では協力隊員に対する意識調査を2011年から継続して実施してきましたが、今回はその約1,500人のデータを用い、協力隊員の応募動機について主成分分析およびクラスター分析という手法に基づき統計分析を行いました。その結果、協力隊員の人物像は、「好奇心型」、「ビジネス志向型」、「国際協力志向型」、「自分探し型」、「自己変革志向型」、「慈善志向型」という6つに類型化できることが明らかになりました。そして、このような類型化については、グローバル人材としての隊員の活用や、隊員の募集、効果的な活動の設定など、実務の様々な面に対して示唆がありうることが指摘されました。
これらの発表に対し、討論者である橋口道代京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授は、グローバル人材育成、ボランティアとしての性格、技術援助としての専門性のバランスをいかにとるかが、協力隊事業の課題であるとコメントしました。また、三次啓都JICA青年海外協力隊事務局審議役は、セミナーのテーマである「開発協力と青年育成の関係」は伝統的な課題であること、協力隊事業は、海外の類似事業と比べて、その多様性が特徴として挙げられると述べました。その後行われた来場者との質疑応答では、青年育成の側面について質問が挙がるなど、活発なやりとりが行われました。
日時 | 2014年12月13日(土) |
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場所 | JICA関西 |
開催情報
開催日時 | 2014年12月13日(土) |
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開催場所 | JICA関西 |