『世界開発報告書(WDR)2012:ジェンダーの平等と開発』バックグラウンドペーパー

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『世界開発報告書(WDR)2012:ジェンダーの平等と開発』バックグラウンドペーパー

男女間のジェンダー格差は過去25年間で大きく是正されました。世界銀行のデータによると、例えばほとんどの国々で小中学校への進学率の男女格差が縮小したということです。それでも、様々な経済社会活動においては、男女間の不平等は依然として存在しています。低中所得国では現在も、年間約390万人の女性が出産で命を落とし、また男児選好によって多くの女児が選択的に中絶されています。さらに、女性は幼少期・成人期に男性よりも高い確率で死亡しているという事実があります。 世銀が発表した最新の世界開発報告書「World Development Report (WDR) 2012」は「ジェンダー平等と開発」をテーマに取り上げ、新たな議論を呼びかけています。同報告書は、教育や経済などの主要分野で各国が取り組むべき政策を提言するとともに、ジェンダー分野の支援における国際社会の補完的役割の重要性を訴えています。 世銀はWDR2012を作成するにあたり、JICA研究所より提出した4つの論文をバックグラウンドペーパーとして採用しました(添付参照)。なかでも、第2章「The Persistence of Gender Inequality [根強いジェンダー不平等(仮)]」の序文で、JICA研究所の結城貴子研究員率いるチーム他の論文に触れ、イエメンにおける就学率のジェンダー格差は世界最大であるという点に言及しています。また、第4章の「Promoting Women’s Agency [女性の活動促進(仮)]」では、「家計を支えることは男性の役割である」という社会規範が、女性のエンパワーメント推進のための政策・公共サービスの効果をどのように阻害するかについて触れ、その一ケースとして大沢真理東京大学教授(JICA研究所研究分担者)の論文が日本の事例として紹介されています。

発行年月
2011年9月
開発課題
  • #教育
  • #経済政策
研究領域
開発協力戦略