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【令和7年度 厚生政策セミナー/開発協力セミナー】これからの移民政策をどう描くか ―分断の時代の新しいヴィジョンを求めて―

掲載日:2025.04.11

セミナー |

セミナー概要

JICA緒方貞子平和開発研究所と国立社会保障・人口問題研究所 は、共催セミナー「これからの移民政策をどう描くか―分断の時代の新しいヴィジョンを求めて―」を開催いたします。

世界は今、深刻な「分断の時代」を迎えています。移民・難民の受け入れを巡る対立は世界各地で激化の一途をたどり、排外主義やポピュリズムの台頭は国際社会の安定を脅かしています。しかし、日本を含む先進国は急速な少子高齢化と労働力不足に直面しており、経済成長と社会保障制度の維持のために外国人労働者の受け入れが不可欠な状況となっています。
また、国際協力や開発の分野においても国際移住の新しい在り方が注目されています。世界銀行が2023年に刊行した「世界開発報告 」(WDR)では、国際移住がとりあげられ、送出国、受入国だけではなく、移住者自身の人間開発にもつながる新たな国際移住の可能性としてGlobal Skills Partnership といった概念が提示されています。

「移民」は、もはや遠い世界の出来事ではありません。コンビニエンスストアの店員、介護施設の職員、建設現場の作業員、企業のエンジニアなど、様々な場面で外国人労働者の姿を目にするようになりました。彼ら彼女らは、私たちの日常生活、地域社会、経済活動を支える重要な一員となっています。事実、日本で働く外国人労働者の数は増加の一途を辿っています。送出し国となることが多い、新興・途上国においても自国の経済発展や国民のウェルビーイングを考える上で国際移住の役割を無視することはできません。

そこで本セミナーでは、移民研究の世界的権威である、クリスチャン・ヨプケ氏(スイス・ベルン大学教授)とヘイン・デ・ハース 氏(オランダ・アムステルダム大学教授)を招聘し、複雑化する移民問題を多角的に捉え、これからの日本と世界の未来を構想します。世界の移民政策はどこへ向かっているのか、国際移住と開発の関係はどのように捉えられるのか。この潮流はどのように生み出され、どのような性格を持つのか。現状を変える手立てはあるのか――。こうした切迫した問いに向き合うなかで、分断の時代の新しいヴィジョンを模索します。

セミナーでは、まず趣旨説明として、世界における国際移動の潮流と日本の位置付けについて、データに基づいた現況を説明します。続いてヨプケ氏とデ・ハース氏から、それぞれの視点で現在の移民政策を貫く論理と見通し、あるべき未来図について報告いただきます。パネルディスカッションでは、日本の移民社会化についての研究を牽引するグラシア・リュー・ファーラー 氏(早稲田大学教授)、及び人間の安全保障の観点から移民研究に取り組む峯陽一 研究所長も加わり、四者による多角的な議論を通じて、新たな時代の羅針盤を見出すことを目指します。

本セミナーは、参加者一人ひとりが日本の未来を共に考え、新たな「共生」の形を模索する場となります。専門知識の有無を問わず、幅広い分野からの皆様のご参加を心よりお待ちしています。

プログラム

13:00 開場・受付

13:30 開会

13:30-13:35 開会の辞
林 玲子  国立社会保障・人口問題研究所 所長

13:35-13:45 趣旨説明①(国立社会保障・人口問題研究所)
是川 夕  国立社会保障・人口問題研究所 国際関係部 部長

13:45-13:55 趣旨説明②(JICA緒方貞子平和開発研究所)
斎藤 聖子  JICA緒方研究所 主任研究員

14:00-15:00 ヨプケ氏講演
クリスチャン・ヨプケ ベルン大学 名誉教授

15:00-15:15 休憩

15:15-16:15 デ・ハース氏講演
へイン・デ・ハース  アムステルダム大学 教授

16:15-16:30 休憩

16:30-17:55 パネルディスカッションおよび質疑応答
● クリスチャン・ヨプケ ベルン大学 名誉教授
● へイン・デ・ハース アムステルダム大学 教授
グラシア・リュー・ファーラー  早稲田大学 教授
峯 陽一  緒方貞子平和開発研究所 研究所長

17:55-18:00 閉会の辞
● 峯 陽一 緒方貞子平和開発研究所 研究所長

18:00 閉会

参加申し込み

以下のリンクからお申し込みください。
※お申込みは2025年6月11日12:00(正午)で締め切らせていただきます。

お問い合わせ

JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:長谷川(将))
メール :ditas-rsunit@jica.go.jp

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