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国際開発学会第25回春季大会でJICA緒方研究所の研究成果を発表

2024.07.31

2024年6月15日、「地域発!国際協力と共創の実践 グローバル・グローカルな人材育成」をテーマに掲げた国際開発学会第25回春季大会が宇都宮大学で開催されました。JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)から参加した研究員らの発表内容は以下の通りです。

【開発協力戦略領域】

企画セッション「『日本型協力』の本質を問う-日本による国際協力の意味と役割に関する多面的検討」(企画責任者:山田肖子名古屋大学教授、国際開発学会長)では、JICA緒方研究所の大野泉 シニア・リサーチ・アドバイザーが研究プロジェクト「日本の産業開発と開発協力の経験に関する研究:翻訳的適応プロセスの分析 」から得られた知見に基づき、発表を行いました。

大野シニア・リサーチ・アドバイザーは、「産業開発にみる『日本型』協力~翻訳的適応の視点から~」と題して、「日本型」協力が意味するところは多様だが、産業開発は日本らしい特徴が見られる分野で、「型」とは特定の処方箋(WHAT)よりも「開発を学ぶ、伝える」方法論(HOW)に着目すべきという問題意識を提示。産業開発で「日本型」がどのように論じられてきたかをレビューした上で、日本が自らのキャッチアップや開発協力で培ってきた視点や方法論として「翻訳的適応」アプローチを紹介しました。そして、同アプローチを踏まえた「日本型」の産業開発協力として、政策対話、カイゼン普及、産業人材育成の事例を示し、日本の産業開発協力の高度化に向けて提言を行いました。

JICA緒方研究所の大野泉シニア・リサーチ・アドバイザーが「翻訳的適応」アプローチを紹介

【政治・ガバナンス領域】

研究プロジェクト「インド太平洋の平和と開発の新ダイナミクス-途上国の中国への対処- 」の成果物として、ジャーナル特集号 への投稿論文が公開されたことを受け、その概要について議論するためラウンドテーブル「New Dynamics of the 'Global South': How are Developing Countries Proactively Interacting with China?」を開催しました。

冒頭、北野尚宏 シニア・リサーチ・アドバイザーが中国の対外援助額(2001-2022年)の推計報告を行いました。続いて、麻田玲 客員研究員と今井夏子 リサーチ・オフィサーが、本研究プロジェクトの事例7ヵ国(フィリピン、ラオス、スリランカ、バングラデシュ、ウズベキスタン、セルビア、ザンビア)と中国の間の二国間関係に関する研究成果、対中認識調査およびメディア分析の調査結果の概要を発表しました。志賀裕朗 客員研究員がモデレーターを務めたディスカッションでは、会場から多くの質問があり、中国と日本の開発協力における類似点や相違点、援助を受け入れる側の国内政治に関する理解を深める重要性などについて活発な議論が交わされました。

ラウンドテーブルで発表したJICA緒方研究所の麻田玲客員研究員

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