瀧澤主席研究員が第99回日本感染症学会で感染症対策における日本の役割について講演
2025.06.06
2025年5月8~10日に開催された第99回日本感染症学会総会・学術講演会/第73回日本化学療法学会総会合同学会で、JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の瀧澤郁雄
主席研究員が講演しました。感染症の基礎研究や臨床・臨床研究に携わる専門家に向けて、グローバルヘルスにおける日本の役割の重要性を訴え、日本の知見を世界のために生かす国際協力への積極的な参画を呼び掛けました。
同講演は、「感染症の脅威に備える国際協力:世界の動きと日本の役割」と題し、5月10日に教育講演の一つとして行われました。瀧澤主席研究員は、米国の対外援助見直しやWHO脱退などの影響による危機的な現状についてふれつつ、日本は従来より外交戦略の一環としてグローバルヘルスに力を入れており、2022年には「グローバルヘルス戦略」を発表したことを紹介しました。
講演したJICA緒方研究所の瀧澤郁雄主席研究員
世界的な危機をもたらした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックへの対応については、ワクチンの迅速な開発で大きな成果をあげた一方で、主要国によるワクチンの買い占めや医療物資の輸出制限など、健康危機における連帯の脆弱性をも明らかにしたと指摘。その上で、瀧澤主席研究員は、日本が先進主要国の中でも最大規模のCOVID-19対策に関連した政府開発援助(Official Development Assistance: ODA)を提供したこと、また、ベトナムのチョーライ病院やガーナの野口記念医学研究所のように、長年日本がODAを通じて能力強化を支援してきた低・中所得国の基幹病院や医学研究所などが各国のCOVID-19対策において中心的な役割を果たしたことも紹介しました。
ベトナム最大規模の医療施設であるチョーライ病院(写真:JICA/永武ひかる)
日本がさまざまな協力を行ってきたガーナ野口記念医学研究所(写真:JICA/飯塚明夫)
また、パンデミック対応への反省を踏まえた、健康危機に備える新たな国際協力の枠組みづくりの最近の動きについて、統治(国際保健規則の改訂、パンデミック条約の制定)、資金(パンデミック基金、G7の開発金融機関による取り組み、新たな円借款スキーム)、体制(医療物資や医療人材の確保)の観点から整理しました。その上で、今後の日本が果たし得るグローバルな感染症対策への貢献の在り方として、「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」や「Gaviワクチンアライアンス」といったサービス提供型グローバルヘルス・パートナーシップ(GHP)を通じた技術の普及や市場形成への貢献、「グローバルヘルス技術振興財団」や「感染症流行対策イノベーション連合」などの研究開発型GHPを通じた技術革新への貢献、二国間・多国間の開発協力機関を通じた人材育成や組織・制度強化への貢献、政府や市民による外交を通じた世界的な共通目的や共感の醸成への貢献を提示し、特に学会などの問題意識を共有する専門家が国を超えて協力することの重要性を指摘しました。
この講演にはJICA専門家経験を有する学会員なども参加し、臨床の専門家が国際協力に参画する意義やJICAとの協力の可能性、国際協力においてもサイエンスを重視する姿勢の必要性などについて、活発な意見が交わされました。
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
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