SDSN開催のウェビナーで峯研究所長がポスト2030年のグローバルフレームワークについて議論
2026.06.02
国連持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)が採択されてから10年以上が経過しましたが、その達成に向けた世界の取り組みは依然として遅れており、2030年までに達成が見込まれているターゲットは全体の20%を下回っています 。SDGsを定めた「2030アジェンダ」への取り組み期限が刻々と迫る中で、2030年以降を見据えたグローバルガバナンス、モニタリング、資金調達の枠組みをどのように進化させていくべきか、ますます関心が高まっています。
こうした現状を受け、2026年4月1日、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(Sustainable Development Solutions Network: SDSN) は、2030年以降のより効果的なグローバルフレームワークへの道筋を探るハイレベルウェビナーを開催し、世界中から1,500人以上が参加し、活発に意見を交わしました。JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の峯陽一 研究所長もパネリストとして参加し、日本の開発経験や現場に根差した研究に基づく視点を共有しました。
まずSDSNのジェフリー・サックス会長(コロンビア大学教授)が基調講演を行い、「成功の鍵は、計画的なシステムの変革、地域協力の強化、そしてより強固な国際金融アーキテクチャーに支えられた大規模かつ的確に設計された投資にある」と強調しました。
続くラウンドテーブル・ディスカッションでは、SDSNのアジア事業を統括するGuillaume Lafortune副代表がモデレーターを務め、サックス会長や峯研究所長のほか、アイルランドのDavid Donoghue 大使(元国連常駐代表)、International Data Center AuthorityのMehdi Paryavi会長、Liquidity and Sustainability FacilityのVera Songwe創設会長(元国連事務次長)、経済協力開発機構(OECD)ウェルビーイング・包摂性・持続可能性・機会均等センター(Centre on Well-being, Inclusion, Sustainability and Equal Opportunity)のRomina Boarini所長が参加。2030アジェンダの交渉および実施から得られた教訓を振り返るとともに、それらの教訓を2030年以降のより効果的なグローバルフレームワークにどのように生かすべきかを検討しました。議論の中では、グローバルガバナンス、資金調達、説明責任、人工知能(Artificial Intelligence: AI)といった新興技術の影響に関連する問題も取り上げられました。
ディスカッションの中で峯研究所長は、JICA緒方研究所とSDSNが2030年以降のモニタリングフレームワークに関する提言を盛り込んだ報告書の共同作成に向けて連携を始めたことを発表。その目的は、SDSNが有するグローバルな知識のネットワークおよび分析の専門性と、JICAの現場に根差した幅広い開発経験を組み合わせることで、より合理的で実践的かつ政策的に有効なグローバル指標フレームワークを提案することです。SDGsの指標フレームワークから得られた教訓を踏まえ、データや報告をめぐる継続的な課題を分析し、持続可能な開発の進捗を測定するための新たなアプローチを提示することで、持続可能な開発モニタリングのあり方に関する国際的な議論に資するようなエビデンスに基づく知見の創出を目指しています。
また、2030年以降の国際開発目標をめぐるJICA緒方研究所による研究の3つの主要課題として、(1)SDGsの指標フレームワークでの経験に基づき、地域ごとに適応させることができるグローバルなコア指標セットの選定 、(2)多面的な脆弱性を把握する「人間の安全保障ダッシュボード」の開発、(3)国際的な政策論議に寄与するフラグシップ・レポート「今日の人間の安全保障 」の刊行を挙げました。
ディスカッションに参加したJICA緒方研究所の峯陽一研究所長
さらに、2030年以降を見据え、各国の統計機関を対象とするボトムアップの能力開発の重要性を強調したほか、米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development: USAID)の解体を受け、世界のデータ環境における課題が増大していることにも言及。長年にわたりUSAIDの資金供与と調整に依存してきた開発途上国での人口保健調査(Demographic and Health Surveys: DHS)などの大規模世帯調査を例に、エビデンスに基づく政策策定に不可欠である、信頼できるデータが今後も利用可能なのか懸念を示しました。
最後に、峯研究所長は、誰一人取り残されず、人間の尊厳、連帯、信頼を尊重する「人間の安全保障」の理念が今後も重要であり続けるとともに、日本は人間の安全保障ユニット(United Nations Human Security Unit: UN-HSU)や人間の安全保障基金(United Nations Trust Fund for Human Security: UNTFHS)といった分野横断型の国連機関を引き続き支援していくことを強調し、発言を締めくくりました。
このウェビナーの動画は、以下のSDSN YouTubeチャンネルからご覧になれます。
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.