No.40 An Analytical Exploration of the Indicator Framework for Post-2030 International Development Goals
JICA緒方研究所について
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国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標年である2030年が間近に迫っている。現在、国際政治ではSDGsの達成に向けた努力の加速に焦点が当てられているが、2030年以降の国際開発目標に関する議論が間もなく開始されるであろう。このような認識の下、本研究では、SDGグローバル指標フレームワークが直面する課題をレビューした上で、2030年以降の国際開発目標の指標フレームワークを提案する。現在のSDGs指標の課題とは、指標データが十分に収集できていないこと、一部の指標間の重複、及び各国固有の文脈やモニタリング・ニーズとの不整合などを含む。こうした課題への対応を念頭に、本研究で提案するのは、(a)すべての国にデータ提供を求める比較的少数のグローバル・コア指標セット、(b)各国が必要に応じて任意に採用できるグローバル・オプション指標のロングリスト、(c)各国がそれぞれの政策的優先事項、モニタリング・ニーズ、及び地域の文脈に応じて設定するカスタム指標から構成される枠組みである。グローバル・コア指標を特定することの実現性を検証するため、本研究は、2000年から2023年までの国連SDG公式データを用いて分析を行い、細分化された指標ペア間の相関関係をもとに47の細分化指標を選定した。細分化された指標とは、年齢層、教育水準、活動タイプなどの各指標固有の分類によって、元のSDG指標をより細かく分割した指標を指す。分析の結果、47のコア細分化指標によって算出された各SDGの国別スコアは、それよりもはるかに数の多い1,112の細分化指標によって算出された国別スコアと近いことが示された。分析結果は、2030 年以降の国際開発目標のためのグローバル・コア指標を選択する上での、提案されたアプローチの有用性を示したが、同時にその弱点を補うため、他の補完的アプローチと組み合わせて適用する必要性も示した。
キーワード: 持続可能な開発目標、SDGs、指標枠組み、シナジー
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