No.41 Development and application of local SDG indicators: The case of local governments in Japan
JICA緒方研究所について
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2015年に持続可能な開発目標(SDGs)が策定されて以来、各国や自治体がそれぞれの文脈においてSDGsをどのようにローカライズしていくかという点に注目が集まっており、これまで研究者たちはその理論的枠組みを探ってきた。しかしながら、地方自治体行政における地域SDGs指標の開発・活用に焦点を当てた研究は限定的な状況である。そこで本研究では、日本の地方自治体の事例を検証することにより、地方自治体が地域指標フレームワークをどのように開発・活用できるかを探った。本研究では、日本の地方自治体によりSDGs未来都市計画に示された指標の定量分析、および地方自治体へのインタビュー調査を通じ、地方自治体が一部の目標・ターゲットに偏って重点を置く傾向があること、そして、特定の目標・ターゲットに対して、地方自治体が主観的な指標や独自の地域指標を用いている傾向が明らかになった。これらの特徴は、地方自治体が目標・ターゲット・指標の優先順位を自主的に選択していることに起因すると示唆された。さらに、一部のターゲットに適切な指標が不足していることも、選択されたターゲットの不均衡を引き起こす潜在的な要因と考えられる。この結果に基づき、本研究は、他国にとっての参考となるよう、中央政府および地方自治体が地域SDGs指標を策定・適用する際に留意すべき事項を提示した。
キーワード: 持続可能な開発目標(SDGs)、SDGsのローカライゼーション、地域SDGs指標、日本、地方自治体
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