実施中プロジェクト
国際的な議論の中で定義が定まっていないがために政策的支援から取り残されている「気候変動避難民のさらなる脆弱層」の人々がいます。本プロジェクトでは、これらの人々が移住先および出身地域で取り残されることなく安心・安全に生きていけるよう、
(1) 人間の安全保障の理念に支えられた日本の国際協力の実現
(2) 都市や先進国が及ぼす、脆弱な農村部や開発途上国の経済、物質的な損失を含む、気候変動の悪影響への緩和や適応できる範囲を超えて発生する「損失と損害」についての国際議論を踏まえた日本の責務の遂行
という2点に貢献する調査研究を実施することを目標としています。
具体的には、大洋州において、オーストラリアなどの先進国による気候変動適応に向けた国際協力政策のもと、ツバルなどの開発途上国からの移住者および開発途上国に残された人々とその地域社会の現況を把握し、伝統的な知の活用とエンパワメントの観点からの事例研究を実施します。
研究の成果は学術論文などとしてまとめ、関連セミナーや学会、国際会合で広く研究者や実践者、政策決定者に共有するほか、人の移動とそれぞれのライフヒストリーがビジュアルとして見られるようなデジタルマッピングの手法を使ってアーカイブ化を行い、支援者や当事者の能力強化に向けた教材・研修プログラム開発可能性の検討へとつなげていきます。
- 研究領域
- 地球環境
- 研究期間
- 2025年01月28日 から 2028年03月31日
- 主査
- 野口 扶美子
- 関連地域
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- 開発課題
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