【民間連携事業】「第9回中南米日系社会との連携調査団」、ブラジルへ!~北見市の環境大善(株)が調査に参加~

2020年2月2日(日)~15日(土)までの14日間、ブラジルに「第9回中南米日系社会との連携調査団」が派遣され、北海道からは環境大善株式会社(北見市)が参加されました。

2020年3月19日

中南米日系社会との連携調査団とは?

中南米で活躍する日系社会と、日本企業との連携を促進することを目的とする調査団です。日本企業がもつ優れた技術やノウハウが、現地の開発課題解決のために役立つ可能性を探るとともに、日本企業における中南米への事業進出の可能性を探ります。中南米諸国からも、相互の連携強化や、日本からの投資促進が期待されています。

第9回 調査の概要

視察

サンパウロ州でのビジネスセミナー

今回の調査団は、「医療」「農業」「食品」「廃棄物処理」の4分野で強みを持つ13社で構成され、ブラジルのサンパウロ州、パラナ州、ミナス・ジェライス州の3州を訪問。各州で、ビジネスセミナー・商談会を開催したほか、野菜農家、酪農家、日系農協、飼料工場なども訪問し、情報収集や、日系企業など関係者との意見交換、製品のプレゼンテーションなどを行いました。
北見市の環境大善(株)が誇る「牛のし尿を原料とした土壌改良剤」などの製品・技術も現地で紹介され、技術活用、現地進出の可能性が検討されました。

ブラジルで見えてきた、ビジネスチャンス

サンパウロ州での商談会

ミナスジュライス州でのセミナー

ブラジルは、日本の22.5倍の面積とほぼ2倍の人口、アマゾン熱帯雨林などの雄大な自然、豊富な天然資源、世界有数の農業生産などで、世界第9位(2018年、IMF)の経済規模を誇る大国です。著しい経済成長に伴って、国際的地位を高めています。
2019年1月に誕生したボルソナーロ新政権は、財政の健全化、治安改善、汚職対策強化のほか、税制改革や経済の自由化を目標として明言し、外国企業を積極的に誘致する姿勢を示しています。さらに、現地ではオープンイノベーションが注目されており、現在約1万社のスタートアップ企業が活動していると言われています。
また、日系人コミュニティは約190万人と世界最大規模で、多くの日系人が医療・法律・教育など多方面で活躍しています。日系社会は、政治や経済界にも大きく関わる重要な役割を果たしています。現地での信用も厚く、日本企業の誘致や協業に対しても積極的です。
今回の調査では、オーガニック市場が急激に伸びていることや、スマート農業が関心を集めていることなど、農業分野においてもビジネスチャンスがあることがわかりました。一方で、関税の高さ、税制の複雑さ、厳しい労働法などは、日本企業のブラジル進出を難しくしています。様々な進出リスクを抑えるためにも、信用のおける日系のパートナーと連携することは、ブラジル進出成功のカギといえます。

参加者の声:環境大善株式会社 窪之内 誠 代表取締役

パラナ州でのセミナー

総領事公邸

私達、環境大善株式会社は北海道北見市にある「地球の健康を見つめる」をスローガンに掲げ活動しているバイオテクノロジーベンチャーです。弊社は独自の技術を用いて未利用バイオマスである牛の尿を原料とし、消臭剤、土壌改良材、植物成長促進剤、水質改良剤を製造販売しています。
今回の調査団への参加の目的は多岐に渡りますが、「世界の農業を引っ張るブラジルに弊社資材を知っていただくことで、収量だけではなく質の高い(オーガニックや減農薬の)農作物を生産するお手伝いがしたい」「世界一牛の多いブラジルでは、牛がどのように飼育され、し尿がどのような形で処理されているのかを視察することで、条件が整った段階で弊社技術を移転し、ブラジル国内で製造できるかの確認をしたい」等がありました。

~調査後の感想~
日系人が長年の活動で築いたブラジル国内の信用の高さに感銘を受けました。農業のスケールは想像していた以上の広さ、大きさでした。露地栽培だけではなく、施設栽培(水耕栽培)も盛んとのことで、弊社資材のニーズは考えていた以上にあることがわかりました。サンパウロをはじめとするブラジル国内各地での商談会・ビジネスミーティングでは、事前にマッチングしていただいていたこともあり、技術や商品に興味のある企業や個人との商談になるので効率が高いと感じました。今回の視察で得られた成果を踏まえながら、今後ブラジルに本格的に進出を検討するフェーズに入った段階でJICAプログラムの利用も含めて検討していきたいと考えています。

関連リンク

ブラジルに関する詳細情報や、JICA事業に関する詳細情報は、以下のリンクをご参照ください。
2020年度も「中南米日系社会との連携調査団」への参加企業様を募集予定です。(詳細未定)